ワークフローソリューションサービスの開発・提供を行うエイトレッドは、本年3月に「AgileWorks」のクラウド版をリリース。昨年7月には、13年ぶりとなるメジャーバージョンアップを行い「Web API」の導入を行うなどワークフローシステムの刷新を図っている。同社は東京ビッグサイトで4月24日から26日の間に開催された「第33回 Japan IT Week 春」内「第15回 クラウド業務改革EXPO 春」でブースを出展し、サービスのデモを行った。「AgileWorks」とはどのようなサービスかレポートする。

  • 「第33回 Japan IT Week 春」内の「第15回 クラウド業務改革EXPO 春」エイトレッドブースより

    「第33回 Japan IT Week 春」内の「第15回 クラウド業務改革EXPO 春」エイトレッドブースより

定番ワークフローシステムを維持しつつ、連携サービスやクラウドサービスでより使いやすく

「AgileWorks」(公式Webサイト)

「AgileWorks」(公式Webサイト)

エイトレッドは、分社前のソフトクリエイトホールディングス(旧社名、ソフトクリエイト)での2003年の「X-point」の販売開始から一貫してワークフローシステムの開発、販売を行っており、今回紹介する「AgileWorks」は2009年に大規模・中規模企業向けにリリースされたワークフローシステム。「FlowEditor」を活用した稟議書や申請書等の承認までのフロー制御や1,000種類以上ある申請用テンプレートでの入力フォーム作成などノーコードでワークフローシステムの運用が可能だ。

大規模企業をターゲットに入れるラインナップ製品として、データメンテナンスを行う管理者をサポートする機能が多く実装されているのも特徴で、組織図に沿った登録や役職のみをまとめたグール設定、部署を横断するプロジェクトなどに適応させるグルーピングでの登録機能、組織改編後の新組織を想定した「先付けメンテナンス(事前設定)」機能なども用意されており、適応時期を設定することで特定期間に集中しがちな担当者の負担を軽減する。

昨年7月にリリースされた「R3.0」は、13年ぶりとなるメジャーバージョンアップで、データ「全文検索」機能や「ビジネスチャット通知」機能などを追加、システム利便性の向上を図っている。本年3月からは多様化する企業ニーズに対応するためクラウド版もリリース、バージョンアップなどのサーバーのメンテナンス不要でサービスを利用できる。外部との連携サービスとしてe-Janネットワークスのリモートアクセスサービス「CACHATTO」との連携を標準機能として提供、グループウェアのサイボウズ「Garoon」、Googleの「Google Workspace」、Microsoftの「SharePoint」、ネオジャパンの「desknet's NEO」などの連携機能をオプション提供している。

  • 1000種類以上ある申請用テンプレートでの入力フォーム作成

    1000種類以上ある申請用テンプレートでの入力フォーム作成

  • 「AgileWorks」の製品機能を拡張できるSDKの概要(同社資料より)

    「AgileWorks」の製品機能を拡張できるSDKの概要(同社資料より)

使いやすさを追求する一方、機能拡張を可能とする開発者向けのサービスも提供している。昨年7月のバージョンアップで追加された「Web API」は、書類操作やワークフロー操作関連、組織・ユーザー関連などの処理を連携プログラムやサービスでカスタマイズでき、「AgileWorks」で発生したイベントなどの処理を外部サービスに送信できる「Webhook」や「SDK」(パッケージ版のみ)を活用することで人事システム、会計システム、入管システム、契約管理システムなどと連携するアドオンを開発できる。

  • 「AgileWorks」基本画面

    「AgileWorks」基本画面

展示会場では、担当者が実際に「AgileWorks」の基本的な利用法について説明してくれた。新規に稟議書を作成する場合は、サイドメニューから「起案・稟議」を選択し、表示された入力フォームに必要事項を記載し作成、作業が完了すると稟議が受付られ、承認が必要な順に自動で回付される。回付に合わせてそれぞれ部署の長の承認印が押されシステム上での承認が完了する。

  • サイドメニューから「起案・稟議」を選択し、必要事項を記載

    サイドメニューから「起案・稟議」を選択し、必要事項を記載

  • 稟議受付

    稟議受付

  • 承認完了

    承認完了

承認のためのワークフローの流れ「回付ルール」は、管理画面の「FlowEditor」上で機能アイコンをドラッグ&ドロップし、条件を設定し線をつなげて行くだけで作成できる。

  • 承認のためのワークフローの流れ「回付ルール」を作成する「FlowEditor」

    承認のためのワークフローの流れ「回付ルール」を作成する「FlowEditor」

担当者は「AgileWorks」について、小規模向けの「X-point」も含めてワークフローシステム開発に21年の実績があり、バートナー企業やユーザー企業との関係が大きな強みになっていると同製品をアピールする。公開事例でも200社を超えており、ワークフローシステム開発の豊富な実績に自信が見えた。API関連では、パートナー企業自身が自社開発のソリューションと連携するコネクターやAPIを開発しサービスとして提供するケースもある。ウイングアーク1stが電子帳簿保存法に対応する文書管理ソリューション「SPA」と連携するためのアダプターを開発しサービスとして提供しており、「X-point」も含め今後もこのような動きは進められて行くようだ。サービスのバージョンアップ頻度を上げることで、さらに多くの顧客の要望に応えたいと述べていた。