米国政府が、IntelやQualcommがHuaweiに対する半導体を供給することを許可する輸出許可を取り消したと、英国メディアのFinancial Timesが報じている。
それによると、米商務省は「Huaweiへの輸出に関する特定企業のライセンスを取り消した」ことを認めたが、どの米国企業が影響を受けるかは明らかにしなかったという。
米国政府はこれまでの輸出規制を通じてすでにHuaweiに対する米国技術を採用した製品の販売について厳しい制限を設けているが、一部の米国半導体企業が用意した中国地域向けに性能を下げた製品については輸出許可を与えていた。これに対して、共和党議員らはバイデン大統領に対し、中国企業に対するより厳しい措置を講じるよう要請を行ってきたほか、Huaweiは否定しているが国家安全保障当局者からは、そうした製品が中国政府による世界中でのサイバースパイ活動に活用されているという指摘もなされてきた。
米国政府も輸出規制を強化する中、Huaweiが2023年に7nmプロセスを採用したSoCを搭載したスマートフォン「Mate 60 Pro」を発売するなど、先端プロセスを採用した半導体を開発し続けることに対して警戒感を見せており、そうした動きをけん制するために中国に対する半導体関連技術の輸出規制強化に向けて欧州や日本をはじめとするアジアの同盟国にも同調圧力をかけているとFinancial Timesでは説明している。
対する中国政府は2024年3月、政府使用のパソコンおよびサーバからIntelやAMDのCPUを段階的に排除することを定めたIT機器調達指針を発表したほか、町村単位以上の中国政府機関のIT機器購入に際しても「安全」かつ「信頼できる」という観点で基準を満たす中国製CPUやOSを選ぶよう指示を出したとされている。なお、この動きに併せるように、すでに中国の工業情報化部は2023年12月に、CPUとOS、集権的なデータベースについて、それぞれ安全かつ信頼できるとみなされる製品(すべて中国製)のリストを記した声明を発表している。