SCSKは5月7日、パブリッククラウド連携と新旧システムの共存を支援するプライベートクラウド「USiZE(ユーサイズ)」について、データ転送料金が不要な月額金額固定型の国産クラウドストレージサービスの提供を開始することを発表した。2029年までに1ペタバイトの提供を目指す。
同社は4月に発表していたUSiZEのブランドリニューアルを契機に、引き続き「ソブリンクラウド」と「ハイブリッドクラウド」の2つの軸でサービスを展開するという。
USiZEクラウドストレージサービスの特長
同サービスはデータ転送やストレージ操作の利用料は不要で、基本料金とストレージ容量料金のみで利用可能。ファイルサーバのように頻繁にストレージ操作やデータの出し入れが発生するシステムに適している。基本料金は月額3万円。オブジェクトストレージは1テラバイト当たり月額2750円。
契約したストレージ容量に応じた月額固定料金で提供し、従量課金および毎月の為替変動によるコストへの影響が少ない。そのため予算計画が立てやすく、計画と実績との乖離を防止する。
同サービスのバックグラウンドには、国内企業であるNeutrix Cloud Japanのクラウド接続ストレージを採用。加えて、マルチクラウド接続サービス「SCNX(SCSK Cloud netXchange)」を利用したハイブリッドクラウドを実現するとのことだ。
USiZEクラウドストレージサービス提供開始の背景
パブリッククラウドのストレージサービスにおいては、データの保存料金以外にストレージ操作料金やデータ転送料金が必要となるため、企業が外部クラウド環境との連携やデータ利活用に踏み切れない理由の一つとなっている。
また、主要なパブリッククラウドは米国企業が運営しており、米国議会が2018年に「CLOUD Act(Clarifying Lawful Overseas Use of Data Act)」を制定したことで、米国の法執行機関がパブリッククラウドに保存する自社のデータにアクセスできるようになり、機密性や秘匿性の高い情報の保護が困難となる可能性も指摘される。これに対し同社は、海外方影響排除を実現するクラウドストレージサービスの提供を開始するとのことだ。