「唯一無二の立地で、商業施設運営のあり方模索していきたい」と話すのは、東急不動産執行役員都市事業ユニット渋谷事業本部長の黒川泰宏氏。
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4月17日、東急不動産は東京・原宿に新たな商業施設「東急プラザ原宿 ハラカド」を開業した。12年に神宮前交差点に開業した東急プラザ表参道原宿は「東急プラザ表参道 オモカド」に改称。ハラカドは、その対角線上に位置する。
ハラカドには飲食、物販の他、クリエイターが集まることができる会員制ラウンジやスタジオ、若者に人気の老舗銭湯「小杉湯」なども入る。
特に今回、東急不動産はこの原宿・神宮前エリアを「クリエイティブの聖地」とすることを目指している。そのために前述のラウンジやスタジオなどを用意し、そこでクリエイターを育成、支援、共創するプラットフォームを用意。
この施設では冒頭の黒川氏の言葉にあるように、商業施設運営の新しい形にも取り組んでいる。例えば、従来であれば商業施設に入居する各テナントそれぞれが集客や売上増に向けた施策を考えていたが、ハラカドでは入居するテナントが相互に連携し、お互いにアイデアを出してイベントやコンテンツを提供する。これを「創造施設モデル」と称している。
また、7階の屋上テラス、2階の窓面、地下1階の銭湯などを「体験型メディア」と定義し、様々な企業の広告掲出やイベントを展開することで、そこからの広告収入を得ていく。
「従来の商業施設とは線を引いた運営方式。純粋物販は半分強。プロモーション収入含めて収益を上げていく」(黒川氏)。時代の変化に合わせた施設運営ができるかどうかが問われる。