富士通は5月7日、モダナイゼーション自動化サービス「Fujitsu PROGRESSION(プログレッション)」をメインフレーム「GS21シリーズ」に適応させて国内向けに提供を開始したことを発表した。このモダナイゼーション自動化サービスはグローバル市場で50社以上のメインフレームに構築されたレガシーシステムの移行実績を持つという。

サービスの特長

同サービスはメインフレームに構築されたアプリケーションの機能を維持したまま、COBOL言語からJavaやC#に自動変換する。メインフレームからモダナイゼーションの移行先としてマルチクラウド環境やオープンシステムで構築されたオンプレミス環境にも対応しており、移行先の選択肢を増やすことでモダナイゼーションを支援する。

同社はこのサービスによって、アセスメントから計画立案、プログラム変換、テストまでをエンド・ツー・エンドで実施するモダナイゼーション事業を強化し、データドリブン経営への変革とDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に貢献するとのことだ。

Fujitsu PROGRESSIONを中核とするモダナイゼーションサービスの特長

Fujitsu PROGRESSIONは移行先プラットフォームとして、マルチクラウド環境やオープンシステムで構築されたオンプレミス環境への対応が可能。移行先のOSはMicrosoft Windows やLinuxを選択できるため、ミドルウェア構成に大きな制約を受けることなく柔軟なモダナイゼーションが可能だという。

また、同社がさまざまな業種や業務のモダナイゼーションで培った知見やノウハウを集約したCoE組織「モダナイゼーションナレッジセンター」に、FNAI(Fujitsu North America,inc)のノウハウとスキルを適応した。新たにレガシー技術に精通した専門エンジニアである「モダナイマイスター」を社内外から採用および集約し、2026年までに500人体制を確立する予定。

さらに、同社の「グローバルデリバリーセンター」やパートナーのSIer企業、エンジニアリング企業などと連携し、レガシー技術に精通した専門技術者を事前登録して顧客のプロジェクトに迅速に対応するための技術者を確保するプログラム「富士通モダナイエンジニアバンク」を2024年6月に新設する。2000人体制で顧客企業のプロジェクトを支援するとのことだ。

サービスの提供に当たっては、現状システムの調査と分析を行う独自のアセスメント手法を用いるという。移行対象となる資産を確定した上で、費用やスケジュールを含むグランドデザインを立案。メインフレーム機種特性に合わせたCOBOLソースコードの自動解析、ビジネスロジック生成を経て、移行先言語の最適な技術構造に合わせた保守性の高いプログラムへと自動変換を実施する。