研究開発を伴う工場は日本国内で─。
4月9日、信越化学工業(斉藤恭彦社長)は、群馬県伊勢崎市に、同社が強みを持つフォトレジスト(感光剤)などの半導体露光材料の新工場を建設することを発表した。
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日本国内で複数の候補地を検討した中から、伊勢崎市に決定。広さは約15万平方㍍、投資金額は約830億円で、2026年の完成を目指す。信越化学が国内に製造拠点を新設するのは1970年以来のこと。
同社は群馬県内で、安中市に国内最大の工場を持つなど、すでに3カ所の拠点を持つ。今回の伊勢崎への投資については「群馬県のスピード感」や「災害リスクの小ささ」を挙げる。信越化学社長の斉藤恭彦氏は「これは第一歩。日本を代表するような半導体材料の工場に持っていこうという意気込みで取り組んでいる」と話す。
国内投資を進める大きな理由として、この半導体材料分野で「研究開発に安心して取り組まないといけない」(信越化学関係者)ことを挙げる。顧客の要望を研究開発にすぐにフィードバックすることで、その速度を上げていく。それには国内の拠点が最適だという考え方。
特に今、信越化学に対しては顧客から、最先端の半導体露光材料を早く供給して欲しいという要望が強く寄せられている。その期待に答える意味もあり、投資決定からわずか2年で新工場を完成させることを目指す。その信越化学のニーズに応えたのが群馬県だったということ。
現在は、熊本県や北海道への半導体投資が注目されているが、それを支える意味でも最先端の半導体材料が必要。信越化学の国内新工場にかかる期待は大きい。