Canonicalは4月25日(現地時間)、「Canonical releases Ubuntu 24.04 LTS Noble Numbat」において、Linuxディストリビューション「Ubuntu」の最新メジャーバージョンである「Ubuntu 24.04 LTS」のリリースを発表した。コードネームは「Noble Numbat」。最長で12年間のサポートが保証されるLTS(Long Term Support)版であり、Linuxカーネルがバージョン6.8に、GNOMEがバージョン46にアップデートされたほか、さまざまな新機能や機能拡張が行われている。
Ubuntu 24.04 LTSは次のページからダウンロードできる。
Ubuntu 24.04 LTSの主な変更点
Ubuntu 24.04 LTSにおける主な変更点としては、以下を挙げることができる。
- Linuxカーネル 6.8にアップデートされ、ppc64elアーキテクチャでのnested KVMのサポートやbcachefsファイルシステムへのアクセスなどの新機能が利用できる
- 低レイテンシー機能がデフォルトカーネルにマージされ、カーネルタスクのスケジューリング遅延を削減された
- すべての64ビットアーキテクチャでフレーム ポインタがデフォルトで有効化された
- initシステムがsystemd v255.4にアップデートされた
- ネットワークスタックがNetplan v1.0にアップデートされた
- AppArmorパッケージの統合により、特権のないユーザーの名前空間の使用が制限されるようになった
- Ubuntu DesktopがUbuntu Serverと同じインストーラーテクノロジーを使用するようになり、autoinstallやcloud-initなどのイメージカスタマイズツールを使えるようになった
- .NET 8が完全にサポートされた
- Rust 1.75と、シンプルなRustツールチェーンスナップ フレームワークが同梱されるようになった
- OpenJDK 21、Python 3.12、Ruby 3.2、PHP 8.3、Go 1.22など、各種言語がバージョンアップした
- Ubuntu Desktopの新規インストールのデフォルト設定が「minimum」になり、LibreOfficeやThunderbirdなどの主要アプリケーションは拡張オプションとしてインストールするようになった
上記のほかにも様々な機能やツールがアップデートされている。詳細は次のリリースノートにまとめられている。
最長で2026年までサポート
Canonicalは現在、偶数バージョンのUbuntuをLTS版とするリリースサイクルを採用している。LTS版では、リリースから5年間は無料でセキュリティアップデートを利用することができる。現在サポート期間内のバージョンには20.04 LTS(2025年4月まで)、22.04 LTS(2027年4月)、そして今回リリースされた24.04 LTS(2029年4月)の3つがある。
有償サブスクリプションであるUbuntu Proに含まれる拡張セキュリティメンテナンス(ESM: Expanded Security Maintenance)を利用する場合、追加で5年間、合10年間のサポートが提供される。Ubuntu 24.04 LTSのESMは2034年4月までとなる。
さらに、Ubuntu ProのオプションプログラムであるLegacy Supportを契約すれば、追加で2年間、合計12年間のサポートを受けられる。