Microsoftは4月24日(現地時間)、Windows IT Pro Blog「Reducing Windows 10, version 22H2 Monthly LCU package size」において、Windows 10 22H2に対して毎月提供している累積更新プログラム(LCU)のパッケージサイズを大幅削減できたと報告した。この機能は2024年4月23日にKB5036979から利用可能で、アップデートに伴うネットワーク帯域幅の節約に効果を発揮するという。
Windows 11の成果を導入
Windows 10 バージョン1809以降のWindowsでは、Windows Updateによって提供される更新プログラムにおいて、順方向と逆方向の両方の差分をペアとして持つ差分方式が採用されている。逆方向の差分も同時に持つことによって、アップデート後に元のバージョンに戻すことが可能となる。逆方向の差分は順方向の差分と対称的な内容になるものの、データとしては互いにほとんど素であるため、両者のサイズはあまり変わらず、トータルのパッケージサイズが大きくなりがちだという問題がある。
Windows 11ではこの問題の解消に取り組み、2021年10月のアップデート以降はパッケージサイズを従来より40%削減することに成功している。Microsoftによると、この削減は、順方向のアップデートの際に実行される変換とパッチ命令から逆更新(ダウングレード)のためのデータを生成する方式によって実現したという。逆更新データは従来の逆方向の差分データに比べると十分に小さいため、トータルのパッケージサイズも削減できるとのこと。
この取り組みの詳細は、Windows IT Pro Blogの次の記事で解説されている。
Microsoftは今回、Windows 11と同じ方式をWindows 10 22H2にも導入した。その結果、LCUのパッケージサイズの大幅な削減に成功したという。具体的には、2024年4月9日にリリースされたKB5036892が約830MBだったのに対して、2024年4月23日のKB5036979は約650MBに改善されている。
MicrosoftはこのLCUのサイズ削減の効果として、OSアップデート時に使用される帯域幅の削減や、ダウンロードの高速化、ネットワークトラフィックの縮小、低速なネットワークでのパフォーマンスの向上などといった利点が得られると説明している。