電通と日鉄興和不動産は4月26日、住宅メーカーや家電・消費財メーカーなどと協力し、業界・メーカーを横断した多様な生活行動データを基に生活者それぞれの状況やライフスタイルに合わせた暮らしを支援する「HAUS UPDATA」プロジェクトの第1弾実証事業を開始したことを発表した。
「HAUS UPDATA」プロジェクトの概要
同プロジェクトは、パートナー各社と協力し、これまで断片的であったデータを統合して生活習慣やモーメントをより多角的に理解するもの。
これまで各社が異なるID体系を採用していたため、生活者の行動を統一的に把握しにくい状況であったが、同プロジェクトでは多様な生活行動データを一元管理可能な独自のデータ基盤を構築・活用し、個々人の状況やライフスタイルに合わせた最適な情報をLINEを通じて提供するという。
業界を横断した生活行動データを活用することで、商品の購入後の使用や消費状況を従来よりも詳細に把握することが可能。これにより、ファンづくりに必要なインサイトや市場のメカニズムを正確に理解でき、生活者視点でのサービスや商品開発を可能にする。
また、住宅メーカーや家電メーカー、IoT/センシングサービス事業者など、これまで個別にスマートホーム化を推進してきた企業だけでなく、消費財メーカーなどの協賛企業を結びつけることで、IoT家電の導入が進みにくかったスマートホームの普及を促進する。
協賛社も含めた業種横断で家事をサポートする家や健康管理を重視した家、高齢者向けには備蓄支援や見守り機能を主体とした家など、よりパーソナライズされたニーズに応えることが可能になるとしている。
第1弾の実証事業
同年5月1日から10月31日の期間で実施される第1弾の実証事業では、HAUS UPDATAの取り組みへの参加を承諾したモニター10世帯(単身 5世帯・ファミリー 5世帯)を対象として、モニターの生活満足度や、企業からの提案内容・頻度が適切かどうかを検証し、生活者の気持ちに寄り添う、価値のあるデータ活用のあり方について検証する。
協働事業者である日鉄興和不動産、各メーカー、流通企業、IoT/センシングサービス事業者が参加し、協力しながら生活者の暮らしをアップデートすることを目指す。
方法としては、IoTセンサとIoT家電を設置して協賛企業の商品を配布後、居住者の生活行動や環境状態を把握し、それを基に収集した居住者の生活行動データから生活動線と消費傾向を分析、一人ひとりの状況やライフスタイルに合わせたおすすめ情報やサービスの提供、LINE公式アカウントを通じ、定期的に需要や気分状態をアスキングし、各社の提供サービスへフィードバックという流れとなる。
なお、同プロジェクトは、第1弾の実証事業の成果を反映しながら、今後も対象世帯やパートナー企業を拡大して継続的に展開していく方針。