インテックは4月26日、富山県に「エリアデータ利活用サービス」を提供し、マルチテナント型のデータ連携基盤を構築して運用を開始したことを発表した。このデータ連携基盤はセンサーデータやオープンデータなどさまざまなデータを集約して、可視化や共有が可能だという。県民向けとして、国や県、自治体の境界を意識することのない「シームレスデジタル防災マップ」を公開する。
富山データ連携基盤について
今回提供を開始した富山データ連携基盤は、同じシステムやサービスを複数の事業者などで共同利用するマルチテナント型で、富山県共通領域と個別領域を設定する。データごとに住民向けや職員向けなど属性が設定でき、広域で共同利用が可能。市町村域を超えてさまざまなデータが集まるため、一元的な管理や提供を可能とする。
また、県内の自治体で導入済みのデータ連携基盤や他システム、アプリなどとの連携が可能だ。「シームレスデジタル防災マップ」の公開により、国や自治体だけでなく、企業や県民など幅広く情報公開や利活用も可能だという。
管理者画面では各機能において情報公開範囲やユーザーごとのアクセス範囲が設定できるため、必要な人が必要な範囲で利用でき、将来的に利用シーンも拡充していけるなど長期的に利便性の高い設計仕様としているとのことだ。PC、スマホなどさまざまな媒体に対応し、複数の自治体での共同利用でも安定して運用できる柔軟なシステム構成、高い耐障害性・可用性・セキュリティ対策だとしている。
シームレスデジタル防災マップについて
シームレスデジタル防災マップは、富山県のオープンデータやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データ、GIS(Geographic Information System:地理情報システム)データ、国の機関が公表しているデータを統合して可視化し、国や県や市町村の境界を意識しないダッシュボードを作成して県民向けに公開するもの。
県民はPCやスマートフォンからシームレスデジタル防災マップにアクセスし、河川の水位や路面の温度、関連する監視カメラの情報やハザードマップといった情報を確認できる。県内の自治体で導入済みのデータ連携基盤の状況や保有しているデータの特性に応じて、API(Application Programming Interface)連携などさまざまな連携方式を実装している。県民目線で必要な情報を集約して確認できるとのことだ。
エリアデータ利活用サービス
エリアデータ利活用サービスは、IoTによるリアルタイムデータやオープンデータなどと連携して、地域の暮らしに関連するデータの収集や可視化、利活用を促進するデータ連携基盤を中心とするサービス。
オープンソースであるFIWAREを搭載し、内閣府のスマートシティリファレンスアーキテクチャに準拠した構成。クラウドサービスのためスモールスタートから広域連携まで柔軟な導入が可能であり、分野や地域の垣根を越えてサービス間や都市間でアセットの共用と情報連携を実現する。