企業DXが進む中大規模なシステム導入とは別に、小規模ながらも現場で必要な業務アプリケーションを簡易に作成し柔軟に運用・メンテナンスできるローコード・ノーコード開発プラットフォームが注目されている。
スパイラルが提供する「SPIRAL」は、外部からの情報入出力や公開用Webアプリケーション開発が可能なノーコード開発プラットフォームだが、同社は東京ビッグサイトで4月24日から26日まで開催される第33回 Japan IT Week 春内のソフトウェア&アプリ開発展でブースを出展し、サービスのデモを行った。「SPIRAL」とはどのようなサービスかレポートしてみよう。
ノーコードで本格アプリ開発し柔軟にカスタマイズできる「SPIRAL ver.2」
ノーコード・ローコード開発プラットフォーム「SPIRAL」は、システム環境構築不用で部品を組み合わせる感覚で業務アプリを作成することができるクラウドサービス。基本サービスとして「SPIRAL ver.1」と開発、カスタマイズ性・操作性が向上した「SPIRAL ver.2」が存在している。課金システムも「ver.1」がデータベースのレコード数、「ver.2」がユーザー数とデータストレージに応じて設定されており、今回同社はブースで「SPIRAL ver.2」を展示しており、実際のサービスを体験することができた。
「SPIRAL ver.2」は、部品を組み立てるローコード開発スタイルに加えてHTML、CSS、JavaScript、PHPによるコーディングにも対応し、公開されているAPIによる外部システムとの連携機能により、高速なアプリケーション開発を実現している。ハイクラスなセキュリティとサポートディスクも用意し、サポートサイトによるサンプルプログラムをはじめ、機能やAPIのドキュメントも公開されており安心してサービスを利用できる。また、豊富な動画による解説からトラブルやアイデアなどの情報を集積した専用のナレッジサイトも用意されており、特集記事や運用情報、開発事例などのコンテンツでアプリ開発をアシストする。
わずか5分でWebアプリケーションを開発できる「SPIRAL」
展示会場では、担当者が実際にWebアプリケーションを作成するデモを見せてくれた。アプリ作成は、まずデータベースの作成から始まる。左サイドメニューをクリックし、必要項目を入力するだけで簡単にデータベースを作成できる。
データベースを作成したら次は、入力するためのWebフォームを作成する。プルダウンメニューからどうような入力フォームを作成するか選択するだけで、フォームのひな型を作成できる。
あとは、右サイドメニューから文字サイズや色などのカスタマイズをノーコードで行う。HTMLやCSS、JavaScriptの知識や技術があるユーザー用に、更に作りこみができるカスタマズモードも利用できる。
これだけでのプロセスで簡単にWebアプリケーションを作成、デモでは5分程度でアプリを作成することができた。
「SPIRAL」には、サイトへのアクセス集中時に、待ち時間などを表示した画面に自動遷移し、訪問者のリロードの防止やストレス緩和などを図り、順番に合わせて本サービスへ遷移する「待合室」機能がある。新型コロナウィルス感染症のワクチン予約サイトで多数発生したアクセス集中によるサービスの停止に対応するため、要望により急きょ同社が開発したものだが、"いつになれば繋がるのかわからない"といった訪問者のストレスはもちろん、作成したアプリへのアクセス増による運営者の負担やシステム負荷などの低減を図るものだ。好評につき「ver.1」で実装、2024年1月より「ver.2」にもオプションで提供されており設置後に起こりがちな不安も手軽に軽減できる。