アストロスケールは4月25日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が大型デブリ除去などの技術実証を目指し実施する商業デブリ除去実証(CRD2)のフェーズIIの契約相手方として選定されたことを発表した。
CRD2は、JAXAの進めるデブリ除去プログラムを起点に新しい宇宙事業を開拓し、日本企業が新たな市場を獲得することを目的としたプロジェクトで、主に軌道上にある日本由来のロケット上段(デブリ)を対象として、2段階のフェーズに分けて、その除去の実証実現を目指すもの。すでに実施されているフェーズIでは非協力物体であるデブリへの接近、近傍制御を行い、軌道上に長期間存在する情報の少ないデブリの運動や損傷・劣化がわかる画像データを取得することを目的に、アストロスケールの実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ:Active Debris Removal by Astroscale-Japan)」が2024年2月に打ち上げられ、2024年4月22日時点で、目標デブリ後方数百mのところまで接近することに成功している。
フェーズIIでは、フェーズIと同様にデブリへの接近、近傍制御を行い、さらなる映像の取得を行うことに加えて、実際にデブリを捕獲、降下させ、デブリ除去技術の軌道上実証を行うことが予定されており、同社ではフェーズIに続き、JAXAから技術アドバイス・試験設備供用・研究成果知財提供を受けて実施するとしている。
また、今回の選定を機に今後、捕獲機構であるロボットアームを含め、フェーズIIで運用する実証衛星「ADRAS-J2(Active Debris Removal by Astroscale-Japan2)」の開発を進めていくとしている。