ルネサス エレクトロニクスは4月25日、2024年第1四半期(1~3月期)の決算概要を発表した。
それによると、同四半期の売上高は前年同期比2.2%減、前四半期比2.8%減の3518億円、営業利益は前年同期比9.1%減、前四半期比1.7%減の1135億円としている。
またルネサスの組織体制が2024年1月に変更となったのに伴い、事業セグメント別での集計方法が変更されたとのこと。従来は製品を軸としたセグメント分類になっていたのに対し、今後は実際に販売された顧客の事業や用途を受けて売り上げの計上セグメントが決定されるという(今回の報告で用いられた2023年期のデータは現在の集計方法へと変更済み)。
その結果、自動車向けの売上高が前年同期比11.9%増、前四半期比3.6%増の1782億円だった一方、産業・インフラ・IoT向けの売上高は前年同期比13.3%減、前四半期比8.6%減の1724億円となった。
なお、2月8日に公表された予想レンジにおける中央値との比較では、売上高が2.0%増、売上総利益率が1.7%増に。為替の影響はほぼフラットで、製品MIXが悪化した一方で、稼働率の増加や製造費用の低減により予想を上回る着地になったとする。
ウェハベースでの前工程稼働率については、当初の50%台半ばとの予想に対して60%近くまで増加。那珂工場への増産投資もあり12インチラインの稼働率が伸長したことが大きく影響したと見られるという。
第2四半期に関しては、売上高は3550億円±75億円(中央値で前年同期比3.7%減、前四半期比0.9%増)とし、自動車向けで若干の増益、産業・インフラ・IoT向けで若干の減益を見込んでいるとする。またR&Dを中心に売上高比で1桁%の投資を予定しているとのことだ。
なお、ルネサスの柴田英利代表取締役兼CEOは、当初の見立て通り2024年第1~第2四半期はボトムラインで推移しており、自動車向けやAI領域などは堅調に伸びていくと予想。またすでに発表済みであるTransphormおよびAltiumの買収プロセスは順調に進行していると語った