ライバル企業同士が、トラック運転手の人手不足が懸念され「物流2024年問題」への対応でタッグを組む―─。
コンビニエンスストア大手ファミリーマートとローソンが、東北地方の一部で商品の共同配送を行うことになった。実験ではなく、本格的に両社が共同配送を実施するのは初めて。両社の商品を同じトラックに混載し、共同輸送することで、トラックの車両台数やCO2(二酸化炭素)排出量の削減につなげたい考えだ。
対象となるのは、アイスクリームや氷、冷凍食品などの冷凍商品。週に一度、翌週のファミマ用車両の予測空き容量とローソンの積載予測量を確認し、トラック1台に積載できると判断した場合にのみ実施する。
例えば、宮城県多賀城市にあるファミマの物流拠点からファミマの商品を積載して出発。そのまま、岩手県盛岡市にあるローソンの物流拠点でローソンの商品を積載。秋田市にあるローソンの物流拠点でローソン用の商品を降ろした後、ファミマの物流拠点でファミマの商品を降ろすという。
セブン︱イレブン・ジャパンを含むコンビニ大手3社は、2020年と2022年に3社共同で配送実証実験を実施。その後、ファミマとローソンの2社で協議を続け、両社の配送拠点の位置が条件に合致した。
ドライバー不足やCO2の排出量削減など、物流の効率化は大きなテーマ。コンビニ各社もAI(人工知能)を活用した効率的な配送ルートの割り出しや物流拠点を再構築。セブンでは店舗への商品の配送回数を減らしたり、ローソンはAI活用でCO2排出量約5%、物流コスト約6%を削減。ファミマも配送コースの数やトラックの台数を約1割削減できたという。
また、ローソンはワタミ、ファミマはコカ・コーラ ボトラーズジャパンと連携し、すでにトラックの共同配送も一部地域で開始。今後は業種の別なく、業界の垣根を超えた連携も増えそうだ。