日立製作所(日立)は4月24日、統合システム運用管理「JP1」のSaaS版である「JP1 Cloud Service」のシステム管理において、生成AIを活用して運用オペレーターによるアラート対応の初動を迅速化できる生成AIアシスタントを追加したことを発表した。4月26日から販売を開始する。
システム全体の監視やオブザーバビリティを担うシステム管理「JP1 Cloud Service/System Management」では、運用オペレーターがダッシュボード上で、システムから発生したアラート(イベント・障害通知)を選択すると、生成AIアシスタントがアラートに応じた質問文を自動作成する。運用オペレーターは質問内容を確認し編集することも可能。また、生成AIにより対処方法が回答されると同時に、根拠となる運用マニュアルや公開技術情報などのリンクも表示されるため、運用オペレーターは生成AIの回答の妥当性を判断可能。これにより、マニュアル類を確認する時間を短縮でき、アラート対応の初動を迅速化できる。
なお、先行して実施した社内の実証実験において、アラート対処方法に関する生成AIの回答内容の正当性を評価し、9割以上のアラートで正しい対処方法を回答していることを確認したという。加えて、生成AIの回答に、対処方法だけでなく根拠となるマニュアルなどの引用元の表示も追加することで、運用オペレーターの判断を支援できたとしている。これらにより、日立グループの運用監視業務における初動の判断時間を約3分の2に短縮できる効果を確認したということだ。
また、リモートワークの浸透により多様化するPCやスマートデバイスなどのエンドポイントのセキュリティを一元管理するSaaS版のエンドポイント管理「JP1 Cloud Service/Endpoint Management」も、4月26日から販売開始する。企業全体で利用されているPCやスマートデバイスなどのIT機器のセキュリティ対策状況の可視化や、機密情報の漏えい防止、ソフトウェアライセンスなどのIT資産管理などが容易になり、企業のガバナンスを強化できるとしている。
同サービスは、の企業のニーズに合わせて利用プランを選択可能。ソフトウェア情報・ハードウェア情報を自動収集し、最新情報にもとづく棚卸を通じ、IT環境の適正化を支援する「資産管理」、従業員の業務に必要となるソフトウェアや更新プログラムを、スケジュールに従って配布し、業務環境の統制を支援する「配布管理」、セキュリティ対策状況のチェックなどによりセキュリティリスクを見える化、操作ログの収集やデータの持ち出し制限により、きめ細かい情報漏えい対策を実現する「セキュリティ管理」が用意される。
今回強化したJP1 Cloud Serviceの価格は、「システム管理 System Management」が245,000円/月~。「エンドポイント管理 Endpoint Management」はスタンダードが490円/ノード・月、ライトAが300円/ノード・月、ライトBが390円/ノード・月。販売開始時期はどちらも4月26日。