日立エナジーは4月24日、電化促進にともなう変圧器の需要増加に対応するため15億ドル超の投資を行い、2027年までに変圧器の製造能力を順次向上させることを発表した。これにより、4,000人以上の新規雇用が生まれるほか、投資の一部として約1億8,000万ドルを投じ、フィンランドのヴァーサ地域に約30,000平方メートルの変圧器工場を新設する。
この投資には、発表済みのドイツのバート・ホンネフの変圧器工場への3,000万ドル超の投資や、米国バージニア州・サウスボストン、米国ミズーリ州・ジェファーソンシティ、コロンビア・ドスケブラダスの変圧器工場の増強も含まれる。さらに、中国・重慶とベトナム・ハノイに最先端の変圧器工場を開設し、オーストラリアのウェルシュプールに変圧器サービスセンターを設立する。
変圧器は、効率的な送配電を実現し、電力網において重要な役割を果たす。また、再生可能エネルギーの連系やデータセンターへの電力供給などに必要な機器であり、エネルギーシステムの脱炭素化を促進する。日立エナジーは変圧器事業で17,000名以上の従業員を擁し、世界に60以上の変圧器工場とサービスセンターを有する。また、顧客の設備の運用・保守を支援するため、サービスとデジタル技術の強化に取り組んでいる。
今回の変圧器事業への投資には、高い安全性と品質を維持しつつ業務効率を向上するための、持続可能かつ革新的な製造技術の導入も含まれる。これにより、日立エナジーが掲げる、自社における2030年までのカーボンニュートラル達成を推進するほか、新規雇用により、各工場がある地域に経済的・社会的な好影響をもたらすことをめざすとしている。
日立エナジーの変圧器ビジネスユニット担当役員であるブルーノ・メレス氏は、次のように述べている。「変圧器や電力設備の需要は、前例のない規模で成長しています。当社は、お客さまの中長期的なニーズに対応するための投資を行っています。デジタル技術を含む各種技術の開発を進め、より持続可能かつ信頼性の高いソリューションの提供をめざしています。フィンランドの新工場開設を含むグローバルでの投資は、電力会社や産業分野のお客さま、パートナーとの協創により、エネルギー転換を加速するという当社のコミットメントを示すものです。当社の実績、技術、専門知識を戦略的に活用することで、グローバルにおける変圧器の需要増加に対応し、カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進します。」