〈90周年を迎えた中堅ゼネコン〉ナカノフドー建設社長・飯塚隆の「誠意・熱意・創意の『三意主義』で新たな需要開拓を!」

「多くの社員やお客様に支えられて90周年を迎えることができた。次の100周年に向け、当社の社是である誠意と熱意と創意の『三意主義』で、新たな需要を開拓していくと同時に、人材の確保・育成と技術力の向上に投資していくことで、ワーク・エンゲージメント(働きがい)を高めていく」

 工場やマンション、オフィスビル、商業施設など、幅広い分野の建設を手掛けるナカノフドー建設。昨年、1933年の創業から90年の節目を迎えた。

 慢性的な人手不足が続く建設業界。今年4月からは、時間外労働時間の上限規制が適用。いわゆる〝2024年問題〟で事業活動への支障が懸念されている。そこで優秀な人材獲得に向け、約800名の正社員を対象に2年連続でベア(ベースアップ)を実施。新卒初任給の引き上げも行った。

「人手不足への対応に特効薬はないが、生産イノベーション推進部を立ち上げてデジタル化を進めたり、働き方改革によって、生産性を向上させていこうと。会社の規模では大手に勝てないが、中堅だからこそ、自分のやりたいことをやれる風通しの良い風土をアピールしたい」

 中堅ゼネコンとしては、海外進出も早く、来年は初の東南アジア進出から50年目。現在はシンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムで、コンドミニアムやデータセンター、半導体工場など、多種多様な施工を行っている。

 海外でも環境意識の高まりから、太陽光発電の設置やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化の相談が増えており、今後も日本で培った環境提案を海外でもしていく考え。

「売上(約1200億円)の約3分の2は国内、3分の1は海外で、中堅規模の会社としては海外進出も早い方だと思う。これまで培ってきたノウハウの継承を円滑に行い、 今後は海外をもっと伸ばしていこうと。幸い、現地のローカル人材が育ってきており、他社にはない当社の強みとなっている」

 座右の銘は「笑門来福」。笑顔が印象的な経営者である。

『空調設備工事最大手』小島和人・高砂熱学工業社長 「環境クリエイターとして新たな成長を!」