Microsoftは4月19日(現地時間)、Windows InsiderプログラムのBetaチャネル向けに「Windows 11 Insider Preview Build 22635.3500」を公開した。このビルドにはWindows共有におけるGmailのサポートやウィジェットボードの改善をはじめとする変更が含まれている。
注目すべき点としては、[スタート]メニューのアカウントアイコンをクリックした際に表示される項目が新しくなり、サブスクリプションサービスの状態が強調されるようになったことが挙げられる。
[サインアウト]ボタンはアカウントマネージャーの裏側に
Windows 11の[スタート]メニューには左下にアカウント名とアイコンが表示されており、それをクリックすると[サインアウト]、[ロック]、そして[アカウント設定の変更]の3つの選択肢が現れる。サインアウトを選択すれば、Windowsを終了することなくサインアウトして、別のアカウントに切り替えることができる。
Build 22635.3500ではこのメニューのデザインが変更され、新たにクラウドストレージやMicrosoft 365、Xbox Game Passのアカウントとの連携状態が表示されるようになった。Microsoftでは、この変更について「新しいアカウント マネージャーが展開された」と説明している。
[スタート]メニューのアカウントアイコンにアカウント マネージャーを統合するのは自然な流れにも見えるが、気になるのは、これまで表示されていた[サインアウト]と[ロック]ボタンが表示されなくなっている点だ。実は、新しいUIでは、[サインアウト]ボタンは3点アイコンをクリックして表示するようになっている。なお、[ロック]ボタンは右の電源ボタンのメニューに移動している。
Neowinは「Microsoft wants to hide the 'Sign out' button in Windows 11 behind a Microsoft 365 ad」において、この変更について、「Microsoftは、Xbox Game Passサブスクリプションの有効期限とOneDriveストレージの容量を表示することが、サインアウトボタンよりも重要だと考えている」と批判的に伝えている。確かに、新しいUIではこれまでよりもクリックする回数が1回増えており、ユーザーにとってのエクスペリエンスが改善されているとは言い難い。
Microsoftは、Windowsユーザーに対してオンラインアカウントへの連携を強く推奨している。実際、Windows 11をMicrosoftアカウントと連携させずに利用するのは簡単ではない。また、最近ではWindows 10ユーザーに対しても、Microsoftアカウントへの連携を促す施策を実施し始めている(参考記事:Windows 10でMicrosoftアカウントの使用を推奨する通知を開始へ、Microsoft | TECH+(テックプラス))。
Microsoft 365やOnedriveへのサブスクリプション登録に誘導するかのような今回の変更は、新たな物議を生みそうだ。
Build 22635.3500のその他の変更点
Build 22635.3500におけるその他の主な変更点としては、以下が挙げられている。
- MicrosoftアカウントがGmailアドレスを使用している場合、Windows共有でGmailを使って自分にメールを送信できるようになった
- [設定]→[アカウント]で、Microsoftアカウントへの予備の電子メールアドレスの追加を促すバナー通知の展開が開始された
- [設定]のホームページで、XBox Game Passへの参加を推奨するカードが表示されるようになった
- ウィジェットボードにおいて、左側に新しいナビゲーション バーが導入され、ダッシュボードの切り替えなどの新機能が利用できるようになった
Build 22635.3500における新機能および修正は、Windows Updateの設定に応じて2種類の方法でロールアウトされる。Windows Updateのページで「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」の項目を[オン]にしている場合は、このビルドに含まれる最新機能がすぐに利用可能になる。[オフ]にしている場合は、一部の機能は時間の経過とともに段階的に展開されるため、すぐには利用できない可能性がある。