マカフィーは4月23日、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、インド、日本の7カ国7000人を対象に実施した「ディープフェイクが選挙に及ぼす影響に関する調査」の結果を発表した。同調査では、2024年の米国大統領選挙やその他の選挙など世界で重要な選挙が相次ぐ選挙イヤーに、ディープフェイクが選挙に与える影響への人々の懸念について焦点を当てたものとなっている。
AI技術の高度化で選挙に影響
今回の調査で、米国人の約4人に1人(23%)が、「最近政治に関わるディープフェイクを使った情報に遭遇し、後に偽物であることが分かった」と回答していることが明らかになった。
AI技術の高度化により、多くの人が本物と偽物の区別が難しくなったことを鑑みると、政治やその他のディープフェイク情報に実際に接触したことのある人数は、さらに多くなると推察できるという。
また、最も懸念されるディープフェイクの利用法についてを聞いた質問では、米国の回答では選挙関連のトピックが上位を占め、具体的には、43%が「選挙に影響を与える」、37%が「メディアに対する国民の信頼を損なう」、43%が「公人(例えば政治家や有名メディア関係者)になりすます」、31%が「歴史的事実を歪曲する」と回答した。
なお日本では、21%が「選挙に影響を与える」、27%が「メディアに対する国民の信頼を損なう」、40%が「公人(例えば政治家や有名メディア関係者)になりすます」、21%が「歴史的事実を歪曲する」と回答している。
米国人の26%がディープフェイク詐欺に遭遇
加えて米国を対象とした調査内では、過去12カ月の間に、43%の人がディープフェイクコンテンツを見たことがあり、26%の人がディープフェイク詐欺に遭遇し、9%の人がディープフェイク詐欺の被害に遭ったことがあると回答した。
このディープフェイク詐欺に遭遇した人のうち、31%が何らかのAI音声詐欺(友人や恋人のように聞こえる電話、ボイスメール、ボイスメモを受け取ったが、実際はボイスクローンであった、など)を経験したことがあると回答している。
また23%の人が、政治家候補者のなりすまし動画、画像、録音に遭遇し、最初は本物だと思ったと回答しており、日本でも政治家候補者のなりすまし動画、画像、録音に遭遇し、最初は本物だと思ったと、18%の人が回答している。