既報の通り、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は4月22日から法人向け5G総合コンサルティングサービス「docomo business プライベート5G」のメニューとして、「5Gワイド」の提供を開始する。このほど、同社は新メニューに関する説明会を開いた。
新メニュー「ワイド5G」の概要
docomo business プライベート5Gは、5Gを含むモバイルネットワークを顧客の要望に合わせてエリア調査から設計、構築、導入支援まで総合的にサポートするコンサルティングサービス。可搬型を含む基地局構築やMEC(Multi-access Edge Computing)などを展開する。
その新メニューとして、提供を開始するのが5Gワイドだ。無線区間のリソースを優先的に割り当てることで、通信速度の向上と安定化が図れるという。LTE(PREMIUM 4G)および5Gエリアで利用可能。通常のNTTドコモ5G契約にオプションで契約して利用を開始できる。
通信速度においては、無線リソースを優先的に多く割り当てることで向上を図っている。そのため混雑時でも一般契約のSIMと比較して相対的に高速な通信を実現した。また、これによって通信の安定化も可能としている。ラッシュ時の山手線車内でストリーミング動画を視聴する実証で、一般SIMと比較して安定した通信が確認できたという。
NTT Comで5Gサービス部門の部門長を務める岩本健嗣氏は「このメニューでは一般ユーザーよりも優先してパケットを割り当てるものの、あくまで法人向けのソリューションとして展開するため、一般ユーザーの通信環境が悪化するほど多量の通信が行われる可能性は低い」と説明した。
想定されるユースケース
同社は5Gワイドについて、幅広い業界での利用に対応可能だとしている。運輸やメディア・エンターテインメントといった混雑エリアでの利用をはじめ、地域や交通領域での広域での利用、医療施設や工場における基地局とセットでの利用、小売りや金融など多店舗における通信品質改善などが期待できるという。
医療分野では、患者の状態を遠隔地から高精細映像で確認できる仕組みに活用できる。地方の病院と都市部の病院をつなぎ、リアルタイムでの患部の確認や遠隔手術支援などを支援する。患者と医師をつなぐことで、遠隔診断などに利用可能とのことだ。
交通分野では、今後活用が広がる自動運転での利用が見込まれる。5Gの高速かつ安定した通信を生かして、混雑エリアや混雑時でも高精細な映像に基づく安全なオペレーションが期待できる。
説明会の中では、5Gワイドを活用した通信のデモンストレーションが披露された。負荷をかけた通信環境で5G利用の有無を比較したところ、一般契約では遅延や画質の低下が見られたのだが、5Gワイドでは高精細な映像が確認できた。