Ars Technicaは4月18日(現地時間)、「Broadcom says “many” VMware perpetual licenses got support extensions」において、BroadcomがVMware製品の永久ライセンスを持つ顧客に対するサポートについて発表したと伝えた。
2023年11月にVMwareの買収を完了したBroadcomは、VMwareの永久ライセンスの販売を終了してサブスクリプションモデルへの移行を進める方針を発表済みだ。既存の永久ライセンスからサブスクリプションへの移行を希望する多くの顧客に対し、移行の猶予期間として延長サポートの提供を行っているという。
既存の永久ライセンスは引き続き利用可能
Broadcomの方針は、CEOであるHock Tan氏によるブログの記事で明らかにされた。同氏は、「VMwareのライセンスをサブスクリプションに移行する計画はBroadcomによる買収が決定するより前である2018年から始まっていた」と主張。Broadcomはこの計画を完了させる方針だと改めて伝えた。
その上で、すでに既存の永久ライセンスを持っている顧客に対して、サブスクリプションモデルへの移行が永久ライセンスの使用には影響を与えないことを強調している。古いバージョンのvSphereを永久ライセンスで使用している場合は、新たにサブスクリプションを契約しなくても引き続き製品を使用できる。
さらに、サブスクリプションを契約しないままメンテナンスおよびサポート契約の有効期限が切れたとしても、引き続きサポートされているバージョンのゼロデイ セキュリティパッチは無料で受け取れるとのこと。他のVMware製品についても、今後、同様の方針を発表する予定としている。
移行猶予のため延長サポートを提供
永久ライセンスからサブスクリプションへの移行を希望する場合でも、決済をはじめとするさまざまな事情ですぐには実施できない企業も多いだろう。Hock Tan氏によれば、Broadcomではそのような事情の抱える多くの顧客に対してサポートの延長を提供したという。ただし、延長サポートを提供する顧客や期間をどのように決定したのかなど、その詳細は明らかにされていない。
Hock Tan氏はVMwareのパートナープログラムの変更についても言及した。Broadcomは2024年4月30日にVMwareのCloud Services Provider (CSP) パートナープログラムを終了する方針も発表している。今後、CSPはBroadcom Expert Advantage Partner Programに移行することになるが、小規模なサービスプロバイダーはPremierまたはPinnacleの基準を満たしていない可能性がある。これについて、Hock Tan氏は、小規模CSPがサービスの継続性を確保するための救済処置を提示している。
同氏は「当社はこれまでも、そしてこれからもお客様の特定の懸念事項に対応する準備ができている」と述べているが、実際には顧客の懸念は払拭されたわけではないだろう。Ars Technicaは、EUで依然として独占禁止法への懸念が続いていることも指摘している。VMwareの製品は圧倒的な業界シェアを誇るだけに、当面は動向に目が離せない状況が続きそうだ。