Linux Foundation Japanは4月17日、ソフトウェア開発のための継続的インテグレーションおよび継続的デリバリー(CI/CD)システムの現状と過去3年の進化に関する調査レポート「継続的インテグレーションおよび継続的デリバリー(State of CI/CD Report 2024 : The Evolution of Software Delivery Performance)」を公開した。日本語版も同時公開されWebサイトで無料閲覧できる。

レポートは、ソフトウェア開発におけるCI/CDシステムの現状、過去3年間の進化の内容をまとめたもので、CI/CD関連オープンソース普及を目指すプロジェクトContinuous Delivery Foundation(以下略、CDF)の委託のもと調査会社SlashDataが作成。2020年から2024年第1四半期までの3年半の期間、全世界15万人以上を対象に同社が実施したオンライン開発者アンケート「Developer Nation」の過去8回の調査データにもとづいて作成されている。

「継続的インテグレーションおよび継続的デリバリー(State of CI/CD Report 2024 : The Evolution of Software Delivery Performance)」(日本語版)

「継続的インテグレーションおよび継続的デリバリー(State of CI/CD Report 2024 : The Evolution of Software Delivery Performance)」(日本語版)(公式データ)

レポートでは、CI/CDを含むソフトウェア開発手法であり文化でもある"DevOps"への開発者の活動について、2024年第1四半期時点で開発者の83%が活動に係るなど高い数値が見られるものの、経験の少ないソフトウェア開発者(2年未満の開発者の1/4)は一切関与しいていないなどの課題が見られ、わずかながらの減少を示すが、2022年第一四半期の77%から比較すると浸透が見られるもので"組織アプローチの成熟度を示す"と結論付けている。

コミットされたコードが本番環境で正常に実行されるまでの平均時間「コード変更のリードタイム」に一カ月以上かかるが41%(Q3 2023では38%)、本番環境への「デプロイ頻度」が月に1回未満が40%(Q3 2023では36%)、サービス復旧への平均時間が41%(Q3 2023では40%)などのソフトウェアデリバリーのパフォーマンスの調査やDevOps関連の活動で産業用IoTでは90%、SaaS関連では84%、ゲーム開発者では80%などジャンルごとでの活動関与など興味深いデータも。ほか、PDF47ページにわたる詳細なDevOpsレポートが掲載されており、付録にはソフトウェア開発経験別の各ツール導入率なども掲載されている。

  • 付録「経験豊富な開発者は、より多くのDevOpsテクノロジーを使用し、 導入率も高くなる傾向がある」(レポートより)

    付録「経験豊富な開発者は、より多くのDevOpsテクノロジーを使用し、導入率も高くなる傾向がある」(レポートより)

レポートの原文「State of CI/CD Report 2024 : The Evolution of Software Delivery Performance」は、Webサイト(https://cd.foundation/state-of-cicd-2024/)よりダウンロードして閲覧できる。日本語版は、リンク(https://cd.foundation/wp-content/uploads/sites/78/2024/04/State-of-CICD-2024jpfinal.pdf)より閲覧できる。