電通は4月17日、電通若者研究部「ワカモン」が、アジア7市場(日本・台湾・インドネシア・タイ・ベトナム・フィリピン・マレーシア)の10~20代の学生を対象に、Z世代の新たな価値観について調査し、その結果を「Exploring Future Insight(第1弾テーマ「ツギクル友情の形」)」としてレポートにまとめ、公開した。
同レポートは、若者の実態に迫り、若者と社会がよりよい関係を築けるようなヒントを探るプランニング&クリエイティブユニット「ワカモン」が、アジア7市場のZ世代のインサイトから導き出す「未来仮説(Foresight)」を起点に、各市場共通の変化ならびにその差異に着目することで、Z世代が未来に向けて考える価値観や潮流を理解することを目指したもの。
つながり支援を目指すマーケティングの重要性が注目される
同レポートによると、アジア7市場のZ世代が考える「ツギクル友情の形」として、Z世代の友情観が従来の「ソリッド」なものから、目的・状況ファーストな「リキッド」なものへ変化しているという。
具体的には、コロナ禍を経て社会が変わる中、SNSやネットを通じて育ったZ世代は、従来の規範にとらわれない友情観が主流になりつつあり、リアルなつながりだけでなく「趣味や目標が一緒」などの柔軟な基準で形成されるリキッドな友情が増加。集まることが難しくなる中で個人主義と自由主義が友情に影響を与え、国際的にも顕著な傾向が見られるということだ。
また、新たな悩みとして「自由すぎてどうしたらいいかわからない」が浮上する一方、アイデンティティ形成やつながり支援を目指すマーケティングの重要性が強調され、コト消費やコミュニティマーケティング、共創マーケティングが注目を集めているという。
電通は今後も、ワカモンによるアジア各拠点でのグローバル活動を推進するとともに、国内外を含めた大学生を中心に若者当事者と協力し、「食」「旅行」「健康」「恋愛」などZ世代の価値観を把握し、「次にくる形」を継続的に調査するという。
さらに、これらの結果を未来仮説(Foresight)としてワカモンにナレッジを蓄積することで、プランニング・コンテンツ開発の精度を向上させ続ける計画だ。