半導体基板自動搬送装置メーカーのローツェ(広島県福山市)は4月12日、2024年2月期(2023会計年度)の決算概要を発表した。
それによると連結売上高は前期比1.3%減の932.5億円(同社の計画比5.9%増)、営業利益は同8.6%減の241.4億円(計画比11.7%増)、純利益は同10.8%減の195.8億円(計画比24.5%増)だったという。
半導体業界の設備投資が軟調だったことで減収減益となったが、計画を上回る業績は達成したことが注目される。
また、売上高の推移としては第1四半期(2023年3~5月)を底に回復基調となり、第4四半期(2023年12月〜2024年2月)には四半期ベースで過去最高額を記録している。
国・地域別に売上高比率を見ると、米国(TSMCのアリゾナ工場を含む)が30%ともっとも高く、次いで中国の28%としている。特に中国は、第1四半期を底に急回復しており、第4四半期に限れば34%を占めてトップとなっている。中国市場については、米国の対中輸出規制の中、中国地場の半導体企業を中心に積極的な設備投資が続いており、同社はそうしたニーズへの対応に向けて中国装置メーカー向けEFEMの中国工場での増産を進め、現地での生産比率を引き上げているという。2024年3月に上海で開催されたSEMICON China 2024でも中国装置メーカーからの引き合いが多くあり、中国市場での売り上げが引き続き増加することが期待できるとしている。
なお同社は、2025年2月期(2024年会計年度)の見通しとして、売上高を過去最高となる前期比30%増の1207億円を見込むとするほか、ベトナムおよび中国の装置組立工場の増強や 量産体制確保などを進めることで高まる需要への対応を強化していくとしている。また、営業利益については半導体関連装置の売上増加に伴う利益の拡大などから同31%増の316億円を見込むとしている。