ダイナミックプライシングシステムを手掛けるメトロエンジンは4月15日、トヨタ自動車が運営するトヨタレンタカーが全国1100店舗で「メトロコンダクター」を利用し、在庫管理業務における工数削減と在庫切れ回避による機会損失の削減につなげたことを発表した。

  • トヨタレンタカーは在庫管理を一元化し工数を削減したという

    トヨタレンタカーは在庫管理を一元化し工数を削減したという

メトロコンダクターの概要

メトロエンジンが開発したメトロコンダクターは、複数のOTA(オンライントラベルエージェンシー)の予約サイトの在庫の一括管理や競合の販売価格調査など事業運営の効率化や売上の最大化を支援するレンタカー事業者向けのシステム。

在庫管理機能では、これまでOTAの予約サイトごとに手動管理していた在庫を共通化して自動調整を可能としている。これにより、従業員の負担と作業工数の削減や、オーバーブッキングの抑制による販売機会の最大化が見込めるという。

導入効果

以前のトヨタレンタカーでは、複数の予約サイト間を行き来して在庫の振り分けや調整を行う必要があり、運営する店舗数が多いことから作業には多くの人手と時間を要していたという。

また、担当者の休日など勤務時間外では在庫の調整ができず、勤務時間内でも常に在庫管理にのみ業務を割けるわけでは無いことから、オーバーブッキングを避けるため予約サイトごとに在庫数の制限をかけるなどの対策をしており、各サイトを横断した流動性のある在庫調整ができていなかった。

メトロコンダクターの導入により、トヨタレンタカーでは1日に2~3時間かかっていた在庫調整が1日数十分で完了するようになったとのことだ。導入以前は各サイトに在庫を分散して販売していたため、一部のサイト上で売り切れとなり販売できていない期間や在庫が生じていたが、そうした販売機会損失も改善できたそうだ。

また、これまで在庫調整に要していた時間を最適な販売価格の検討のコントロールや、来月以降の売り方の検討など、より売上を増加させるための業務に充てられるようになったという。