NTTデータユニバーシティは4月15日、約1000人が参加する「2024年度NTTデータグループ会社向け新入社員研修」におけるJavaプログラミングの学習において、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを使用して受講者の質問を受け付け回答する自律的な学習支援ソリューションである「UnivTutor」を提供したと発表した。グループ外にも提供範囲を拡大することで、今後3年で延べ1万人の利用を目指す。
近年の新入社員研修では受講者のITスキルのレベル差が拡大し、質問の内容が多岐にわたるようになったという。従来は研修講師が受講者の対応を行っていたが、質問のボリュームが増加し、講師だけでは対処しきれないことが課題になっていたとのこと。
Azure OpenAI Serviceの利用により、頻出の質問は受講者が自身で調べて確認することで、講師リソースの課題を解決すると共に、学習効率と学習効果の向上を実現するとしている。
同ソリューションの特徴として同社は、1)プログラミング初学者のわからない状況をAIがサポート、2)自律的な学習の支援、3)講師スキルに左右されない安定した品質の提供、4)学習効率の向上の支援、5)質問ログの解析による研修の改善への貢献、6)セキュアな環境での対応、の6点を挙げる。
AIによるサポートについて、同ソリューションではプログラミング初学者でも質問できるように、よくある質問項目ごとに分類し、何をどのように聞けばよいかのテンプレートを作成しているという。受講者はテンプレートの指示に従って項目を選択したり、コンパイルや実行エラーとなったソースコードを貼り付けたりすることで、容易に質問できるとのこと。
また、これまで同社で実施した新入社員研修中に発生した、受講者の質問内容と回答を同ソリューション内に全て記録・学習させることで、が質問に対し回答やエラー箇所の指導を適切に行うことができ、受講者の学習をサポートするとしている。
自律的な学習の支援に関しては、「答えを教えてほしい」といった質問があった場合も直接回答するのではなく、ヒントを提示するなどの工夫を行っている。これにより、受講者は自身で解決するプロセスを学びスキルの定着化を図ることができる。
品質については、プログラミング初学者にもわかりやすい一定の品質を担保した説明の提供が可能としている。学習効率の向上支援に関しては、同時に多数の質問が発生しても一度に回答できるため、無駄な空き時間が発生せず、効率的な学習が可能になるという。
研修の改善については、講者の質問とその回答を同ソリューション内に記録するため、その傾向を分析し、今後のカリキュラム内容や教材の改善に役立てられるとのこと。
セキュアな環境に関しては、Azure上に利用会社ごとのセキュアな環境を用意するため、受講者情報の安全を確保できるとしている。