2024年4月初旬までにおける半導体市場動向調査会社や機関による2024年の半導体市場の成長率予測を比較すると、おおむね前年比12%~24%増といった範囲となっている模様である。
以下、各社・機関の予測とその発表時期を記す。
- Techcet:12%増(2024年2月)
- WSTS:13%増(2023年11月)
- Future Horizon:16%増(2024年1月)
- Gartner:17%増(2023年12月)
- Semiconductor Intelligence:18%増(2024年2月)
- IDC:20%増(2023年11月)
- TSMC:20%増(ファウンドリ市場限定、2023年1月。自社の成長率は25%増と予測)
- TechInsights:13%増(2024年1月) →24%(2024年3月に修正)
いずれも2023年半ばの予測に予測していた値から上方修正しており、今後もメモリ市場の回復やAI半導体需要のさらなる高まりがあれば、予測をさらに上方修正するところが出てくるだろう。
米国の電子材料市場調査会社であるTechcetは、2023年の半導体(デバイス)市場総売上高が前年比13%減の5720億ドルとマイナス成長を記録した後、2024年にはメモリ市場が回復し、半導体業界全体が上向きに向かうと予想している。同社は、2024年の半導体市場を同12%増と予測、2025年も同21%増と予測しているが、この2024年の成長率予測は多々ある調査会社の中でも低い方の予測値である。
なお、Techcetによると、2026年後半から2027年にかけて市場が下降サイクルに入る見込みだが、2029年には市場が回復、その額は9000億ドル規模となり、待望の1兆ドルに達するのは、2031年か2032年だと予測しており、短期的には多少の凹凸があるものの、長期的には確実に成長を続けていくとみている。
また、半導体そのものの市場は、今後も波の大小が生じるものの、半導体材料市場の全体的な傾向は、半導体市場の動きよりはるかに穏やかであり、半導体デバイスの売上高ほどの変動は見られないとTechcetは分析している。