米Microchip Technologyは、TSMCとのパートナーシップを拡大し、TSMCの子会社であるJASM(熊本)での 40nmスペシャルティ(特殊)テクノロジによる製造を委託することを発表した。
このTSMCとのパートナーシップ拡大とJASMの生産能力の確保についてMicrochipでは、自社が進める世界規模のサプライチェーン構築のための継続的な戦略の一環であり、自社内の製造環境に事業継続性のさらなる保証を与え、頻繁に変化するビジネス環境や自然災害などの外部要因を相殺することで半導体の継続した供給を可能にすると説明している。同社はJASMからのウェハ供給により、自動車、産業、ネットワークアプリケーションを含むさまざまな市場の幅広い顧客にサービスを提供する体制がさらに強化されるとしているほか、社内の製造能力と生産能力を向上させるための追加技術への投資や、ウェハ工場、ファウンドリ、組立、テスト、および OSATパートナーとの地理的多様性と冗長性の確立なども進めていくとしている。
なお、このMicrochipの動きに先んじる形で2024年2月にAnalog Devices(ADI)が、TSMCとのパトナーシップを発展させる形でJASMの40nmプロセスおよびそれ以降の微細プロセスを活用するウェハ生産能力を確保したことを発表しており、ワイヤレス・バッテリ・マネージメント・システム(WBMS)やギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク(GMSL)アプリケーションなどの自社の事業における生産能力の確保に向けた新たな選択肢が加わったと説明しており、マチュアなスペシャリティプロセスを活用したい米国顧客からの新たな生産委託先としての存在感を増しつつある。