両備システムズは4月11日、新たに移転した新東京本社で開所式を行った。これに先立ち、同10日にメディア向けに新オフィスを公開した。なお、旧オフィスである森永ビルから3月25日に移転し、業務を開始している。
2030年に売上高500億円の一翼を担うオフィス
両備システムズ 代表取締役COOの小野田吉孝氏はオフィス移転の背景として「公共系における標準化やガバメントクラウド後の事業展開のため省庁系のビジネスを強化するほか、民需系では関東を中心としたアパレルや物流のパッケージビジネスを強化するためだ」と話す。
同社は1984年に東京営業所を開設し、1997年には首都圏から東日本地区の販路拡大を目的に、東京本社に改称、岡山県の本社とともに、2本社制をとっている。
新オフィスはJR田町駅から徒歩数分のG-BASE田町の6~7階となり、事務室面積は旧オフィスと比較して、2.2倍となる2256.69平方メートル。座席数は6階が111席、7階が65席、8階が152席の計328席で、現在は両備グループICT部門3社(両備システムズ、シンク、Ryobi Algotech Capital)が入居し、社員数は約250人(うち正社員180人)だ。入居部門は官公庁関連、ヘルスケア、民間関係、クラウドセキュリティなどだ。
2022年にオープンした岡山本社(岡山市北区)と同じオフィスコンセプト「社員が会社に来たくなるオフィス」「クリエイティブなオフィス」「ブランド価値を高めるオフィス」「人や地球に優しいオフィス」を踏襲。また、東京本社では新たに「世界との繋がり」「社員の繋がり」「社会(未来)との繋がり」の3つのテーマを加えた。
小野田氏は「当社では中期経営計画で2030年に500億円の売上高を目標に掲げている。そのため、首都圏の首都圏での売上高を2023年度比2倍の200億円を目指し、従業員も400人(出勤率7割想定)に増員する」と力を込めた。
写真で見る新オフィス
新オフィスの7階は来客やイベントなどを行うため会議室を中心とし、6階は「アース」、8階は「ナチュラル」をそれぞれコンセプトに据えている。今回、見学したのは7階と8階の2つのフロアだ。両フロアともにサスティナブルな社会を実現するオフィスとして、サスティナブルな要素を取り入れいている。
まず、案内されたのは7階。会議室に加え、応接室やイベントスペースが配置されている。
続いては8階。執務エリアで、1人用スペースやチームで業務を行うスペース、個室ブースなどを配置している。
売上高達成に向けて公共系、民需系分野を強化
話を事業に戻そう。同社では現在の公共やヘルスケア分野を継続強化しつつ、特に民需系を強化する。
公共分野では2025年度までの自治体システム標準化で全国の自治体のサポートおよびパートナー企業との連携の拠点とするほか、今後はデジタル行財政改革における主要施策対応・強化推進(教育・交通・介護・子育てなど)のため、関連省庁への営業活動のための人員強化を見込んでいる。
そして、民需系分野は現在西日本で展開しているアパレル、物流、交通のシステムを首都圏に拡大するため、今後は最も主力の事業として、事業強化を目指す。また、グローバルでも事業拡大を見据え、情報収集やパートナーとの連携や人材獲得の拠点としても役割を担う。
両備システムズ 取締役 営業本部 本部長の古林栄二氏は民需系について「従来は西日本を中心に営業展開していたが、自社ソリューションを開発して整ってきたことから、関東に向けてさらに拡大して以降と考えている。首都圏で大きな商談を狙い、積極的に取り組んでいる状況だ」と意気込みを述べている。
首都圏における注力商材は、アパレル向け基幹ERPシステム「Sunny-Side」、駐車場管理システム「IT-Parking」、クラブマネジメントシステム、スポーツクラブ施設総合情報システム「ATOMS-V」、バスロケーションサービス「Bus-Vision@バスロケ」の4つ。
2026年度までにSunny-Side for Sales/Makerを10件(現状は首都圏で2件)、Sunny-Side for Retailは27ユーザー、150ブランド(同15ユーザー、114ブランド)、IT-Parkinは30施設(同14施設)、ATOMS-Vは800店舗、120法人(同710店舗、104法人)、Bus-Vision@バスロケを70社、1万車両(56社、7827車両)をそれぞれ目指す。
さらには、首都圏での採用強化も進める。新卒、中途採用を含めて岡山だけでなく、東京など働く場所を選択できるようにし、賃金アップやオフィス環境など処遇の強化に特務。賃金制は2022~2026年の5年間で20%以上アップしていく考えだ。