PFUは4月10日、「廃棄物分別特化AIエンジン」シリーズの提供を開始することを発表した。まずはシリーズ第一弾として、ビンの色選別を自動化するAIエンジン「Raptor VISION BOTTLE」を展開する。同シリーズには同社がイメージスキャナー開発で培った光学技術・画像認識技術を応用しているという。
シリーズ第一弾「Raptor VISION BOTTLE」
Raptor VISION BOTTLEは、ベルトコンベア上を流れてくるビンをカメラで撮影して茶色ビンや透明ビン、その他のビン、およびペットボトルを識別し、ピッキング位置を特定してロボット側に通知する。これまで手作業で行われていたビンの選別作業を自動化できるようになり、廃棄物処理に要する人員配置の効率化を支える。
このAIエンジンは共創パートナーである工作機械メーカーの高松機械工業の「資源ごみAI自動選別機~AI・B-sort~」に搭載され、青森を中心に東北6県などで産業廃棄物処理を実施する青南商事に導入されているという。
「Raptor VISION BOTTLE」の特長
Raptor VISION BOTTLEは複合照明技術、特徴融合認識技術、禁忌品認識技術を組み合わせて、ビンやラベルに汚れがある場合でも99.8%の精度でビンの色を識別可能だとのことだ。複合照明技術では、独自に設計した3種の照明条件を併用してビンの特長を把握している。
特長融合認識技術においては画像処理、特長融合、認識処理、後段認識処理を組み合わせて認識結果を出力。香水容器ような特殊なビンや内容物が残っているビンの他、割れたビンやペットボトルなどを識別可能としている。
ビンを識別するAIモデルはAWS(Amazon Web Services)をベースとし、学習に必要な画像の自動選定システムを新規開発した。新たに取得した画像データを用いて再学習することで、継続的に認識制度を向上できるとのことだ。
同社は将来的に、廃棄物分別特化AIエンジンシリーズをビンだけでなく金属や建廃、衣服などにも拡張するほか、リチウムイオン電池の発火を事前に検知できる仕組みなどの確立も目指すとしている。