半導体市場動向調査・情報提供査会社である加TechInsightsが、2023年の半導体製造装置サプライヤ売上高ランキングトップ15を発表した。

  • 2023年の半導体製造装置サプライヤ売上高ランキングトップ15

    2023年の半導体製造装置サプライヤ売上高ランキングトップ15 (出所:TechInsights)

それによると、ASMLが中国市場でのArF液浸露光装置を中心に、成熟プロセス向け露光装置なども含めて需要が高騰したことで、売上高が前年比36%増と急伸したことから、前年トップのApplied Materials(AMAT)を抜いて首位に躍り出たことが注目されるという。

また、3位から6位までの順位は2022年から変化はなかったが、2022年に7位だったSCREENが蘭ASM International(ASMI)に抜かれて順位が入れ替わった。さらに、2022年に9位だったKOKUSAI ELECTRICが14位に順位を下げたほか、同11位だった日立ハイテクも12位へと下げるなど、、日本勢の多くが順位を落とす結果となっている。その中においてレーザーテックが、売上高を前年比8割増という驚異的な伸びを達成し、一気にトップ15入りを果たした。

加えて、中国最大の総合半導体製造装置メーカーであるNAURも同30%増と高い成長率を達成し、中国企業としてはじめてトップ10入りを果した点も注目に値する。今後も次々と中国装置メーカーが台頭していくる可能性がある。

トップ15社を本社所在地別で見ると、最多は日本で7社がランクイン。次いで米国の4社、オランダの2社、韓国および中国が各1社ずつと続く。トップ15に占める企業数としては日本勢の強さが目立つが、これら7社の売上高を合計しても240億ドルほどで、首位争いを繰り広げるASMLやAMATのそれぞれの売り上げに届かず、トップ15社の合計売上高である1105億ドルの21.7%に留まっている点に過ぎない。しかも、この割合は長期的に見ると減少傾向にあることに注意する必要がある。

2023年の半導体製造装置市場は前年比2.9%減のマイナス成長

2023年は半導体市場が前年比で約10%近いマイナス成長となるほど停滞したことから、半導体製造装置市場も同2.9%減の約1105億ドルにとどまった。トップ15社に限ってみると同2.1%減となるが、トップ15社中、ASML、AMAT、ASMI、NAURA、ディスコ、レーザーテックの6社は前年比でプラス成長を達成している。一方のLam Research、東京エレクトロン(TEL)、アドバンテスト、Teradyne、日立ハイテク、KOKUSAI ELECTRICの5社は売り上げの2桁%減を記録している。

半導体製造装置サプライヤの大手5社(ASML、AMAT、Lam、TEL、KLA)の売上高合計は約907億ドルとなり半導体製造装置市場全体の68%を占め、大手寡占化の傾向を務めている。

  • 2023年の半導体製造装置サプライヤ売上高ランキングトップ15の2022年および2023年の売上高比較

    2023年の半導体製造装置サプライヤ売上高ランキングトップ15の2022年および2023年の売上高比較 (出所:TechInsights)

なお、大手5社以降の6位以下の各社は6位のアドバンテストであっても売上高の規模は、5位のKLAの1/3ほど、4位のTELとは1/4にも満たない規模となっており、これらトップグループとは大きな隔たりがある。