野村総合研究所(NRI)は4月9日、日本のデジタル化の度合いを可視化するため、2023年の都道府県別のデジタル度をDCI(デジタル・ケイパビリティ・インデックス)として公表した。
DCI(デジタル・ケイパビリティ・インデックス)とは
DCIは、市民のネット利用、デジタル公共サービス、コネクティビティ(端末、通信インフラ)、人的資本(デジタルスキルの保有度やICT教育)の4項目から構成される。
DCIの基になっているのは、欧州委員会(EU)が開発しているDESI(デジタル経済社会インデックス)。DESIは、EU加盟国のデジタル度を複数の大項目から評価し、国別のデジタル度を0~100で示している(高いほどデジタル化が進んでいることを意味する)。
今回の調査は、2023年7月に全国の15歳~69歳までを対象にオンラインで実施、各都道府県について性年齢別割り付けを行ったうえで200サンプルずつを集め、日本全国で9,400サンプルとなったという。
2023年のDCI
2023年のDCIは、第1位が東京都で、以下、愛知県、兵庫県、福岡県、神奈川県と続いている。一方、最下位は島根となった。
2023年の特徴は大都市部のデジタル度が再び上位に浮上したことが挙げられている。特に東京都が頭一つ抜け出した形となっていて、これは2020年にみられた傾向と似ているとのこと。
その後、コロナ禍を通じて地方部、特に北陸のデジタル度が上昇して全国のデジタル格差は縮小したように見られたが、2023年のスコアを見ると、再び大都市部と地方部の格差が拡大し始めたように見られると同社は分析している。
ネット利用、デジタル公共サービス、コネクティビティ、人的資本で順位
ネット利用、デジタル公共サービス、コネクティビティ、人的資本の構成要素別にスコアの高い都道府県を見てみると、「ネット利用」の数値が最も高いのは沖縄(19.6)だった。沖縄県は2020年や2021年調査でもネット利用のスコアが高く、全国的に見て市民のネット利用が相対的に高い県となっている。
デジタル公共サービス、コネクティビティ、人的資本のいずれも東京都のスコアが最も高くなっている。