流通業界の大手イオングループの中核企業イオンリテールは働き方改革のため進めてきた店舗DXがAIの更なる導入で完成に目途がついたことを発表した。4月21日からの全部門での「ワークスケジュール自動作成機能」実装と今春中の「新・販売計画支援システム」導入により働き方改革の総仕上げを行う。
「ワークスケジュール自動作成機能」で作業時間が5割から8割減、「新・販売計画支援システム」で8分の1に短縮
同社では、2022年にチームの勤務計画を自動提案するAIシステム「AIワーク」を導入(ニュースリリース)、更なる業務効率化を目指し、AIで従業員の時間帯ごとの作業割り当てを自動化する「ワークスケジュール自動作成機能」と販売計画の作成を半自動化する「新・販売計画支援システム」を開発してきた。
4月21日より店舗全部門で実装予定の「ワークスケジュール自動作成機能」は、従業員の勤務シフトやスキル、業務内容をAIに学習させることで各従業員の時間帯ごとの作業割り当てを自動化。既に導入している部門では、半減から8割減の効果を出している。一方、今春中に予定する「新・販売計画支援システム」は、販売計画の作成を半自動化することで時間を8分の1に短縮。タブレットでの現場確認や指示の円滑化などのコミュニケーション機能も備え、現場での計画遂行をサポートする。
同社がこれまで実装してきた店舗業務支援システムは、AIオーダー(発注業務)やAI価格(値引き対応)などの客数予測に紐づくシステムからAIカメラやインカムと連携する情報共有ツール「MaIボード」による店内情報のリアルタイム共有などAIを広く活用するもので、今回の機能追加により"現場に合った計画遂行""業務の最適化""情報伝達の進化"という店舗業務を一貫してサポートする流れが完成する。2020年以降に実装するこれらシステムによる効果は年間約200万人時の創出になる試算だという。削減した時間は、売場での創意工夫や接客などの顧客満足度向上のために使うことができるようになる。