森ビルが麻布台ヒルズに食の拠点「麻布台ヒルズマーケット」開業

2024年3月13日、森ビルが運営する新たな街「麻布台ヒルズ」にフードマーケット「麻布台ヒルズ マーケット」を開業した。施設面積は約4000平方メートル(約1200坪)、日本を代表する専門店34店舗が集積している。

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 森ビルは「日本の食は世界に誇る文化」だとして、このマーケットに食文化を守り、さらに発展させたいという想いを込めた。そのため日常品から特別な嗜好品、希少な食材など、様々な品を揃えた。

 代表例としては、豊洲市場を代表する仲卸「やま幸」が開業した鮮魚小売店「麻布台 やま幸鮮魚店」、日本橋人形町で創業100年以上の歴史を持つ精肉店「精肉 日山」を誘致した他、東京・目黒で予約が取りにくい焼き鳥店として知られる「麻布台 鳥しき」が惣菜コーナーに出店した。

 開業後も「街を育てる」方針を持つ森ビルとしては、コミュニティを育む仕掛けも用意。出店する専門店同士のコラボレーションの他、麻布台ヒルズ内や周辺の店舗やレストラン、学校、企業などと連携して、食育やワークショップなど「ラボ活動」を展開する。

 森ビルの担当者は「開業してから連日多くのお客様にお越しいただいている。今後も日本の食文化の豊かさを多くの方に届けていきたい。5月には進化させるための『ラボ』もスタートさせる予定」と手応えを語る。

 コロナ禍では一時、「オフィス不要論」なども言われ、オフィスや街づくりの先行きが不安視された時期もあったが、森ビルは24年3月期の業績で営業収益(売上高に相当)3530億円(前年同期比23%増)、営業利益755億円(同19%増)と大幅な増収増益の見通し。

 また、大型投資が続く中、有利子負債は1兆4725億円(21年3月期)から1兆6314億円(23年9月中間期)と増増加したが、自己資本も5597億円から6903億円と増加。自己資本比率も24.5%から26.1%と安定化している。

 今後は2030年度の完成を目指す「六本木五丁目開発」も控えるなど、東京の「国際競争力」強化に向けた街づくりが続く。