資生堂は、「彩る美容液、という奇跡。」をキーメッセージに、新たなベースメイクカテゴリーとして同社独自技術である「セラムファースト技術」を搭載した「ファンデ美容液」を開発したことを発表。4月2日に開催された発表会では、コミュニケーションアンバサダーに俳優の河合優実氏を起用し、CMをはじめとした各種広告にて今後訴求していくことを明らかにした。

  • 発表会の登壇者

    発表会の登壇者。左から、資生堂 ブランド価値開発研究所 室長の三浦由将氏、俳優の河合優実氏、資生堂マーケティングリレーション本部 本部長の北原規稚子氏

同社が20~30代のベースメイクをしたことがある女性を対象に2024年3月に同社が行った美容意識調査によると、コロナ禍を経て外出が減り、それと並行して自分自身と向き合う時間が増えたことで、肌についても考える時間も増えたこともあり、「未来の自分自身への投資」であるスキンケアへの興味関心が増加傾向にあることが分かったという。

また、メイクへの意識にも変化があり、2024年2月に同社が行った化粧行動調査では肌をきれいに見せたいと思う一方で、できるだけ肌への負担は少なくしたいと考える人が増え、ファンデーションを使わない「ノーファンデ派」や週4日以上ファンデーションを使わず、気になるところだけコンシーラーや色付き化粧下地で仕上げるといった「レスファンデ派」が増加。外出機会が増えた今もなお、ノーファンデ派とレスファンデ派の合計が全体の約70%を占めているとし、同社では大きな価値観の変化と捉えているとする。

  • ノーファンデ派とレスファンデ派の合計が全体の約70%を占めている

    コロナ禍でのメイクへの意識の変化に伴い、現在もノーファンデ派とレスファンデ派の合計が全体の約70%を占めている

そうした背景から資生堂が開発したのが“ファンデ美容液”という新たなベースメイクカテゴリーとなる。ファンデーションと美容液を融合させた商品は、肌への負担が少なくスキンケア効果もあるとし、化粧品市場のトレンドとして他社でも多く見られるようになっているが、その多くは「美容液ファンデ」といわれる、ファンデーションに美容液成分を加えるという手法であるとする。そうした美容液ファンデは、油が水分を取り囲むW/O型(Water In Oil型)が主流であり、美容液成分を数少ない水部分に配合しなければならないため、美溶液成分を配合できる量に限りがあるという課題があったという。ファンデ美容液は、そのさらに先に進化した形として、美容液の中にファンデーション成分を閉じ込めることを可能とする独自の乳化技術「セラムファースト技術」を開発することで実現されたもので、そうした逆転の発想から商品が生まれたことからカテゴリーの名称も従来の美容液ファンデではなくファンデ美容液としたとする。

  • 美容液ファンデの構造イメージ

    美容液ファンデの構造イメージ

セラムファーストという言葉には、「肌に美容液が最初に触れるということ」、そして「発想自体が美容液ファーストであること」の2つの意味が込められており、美容液への適用を軸に開発が進められ、ミクロレベルでパウダーを油で包み、そのカプセル化した油を美容液(水)で包む「P/O/W型(Poedwe in Oil in Water)乳化型」とすることで、水が大部分を占めるようになり、そこにたっぷりと美容液成分を配合することで、カバー力や化粧もちを高めることに成功したほか、粉末レス感やみずみずしい感触の実現にもつながったとする。

  • 美容液にファンデーションを入れる逆転の発想

    美容液にファンデーションを入れる逆転の発想で新たなカテゴリーを創出

このファンデ美容液という新カテゴリーの商品としてすでに同社は、全12色の「SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション」(SPF30・PA+++。参考小売価格は本体7590円、レフィル7040円)と、全5色の「マキアージュ ドラマティックエッセンスリキッド」(SPF50+・PA++++。希望小売価格は本体3520円、レフィル3300円)の2商品を展開している。これらの商品は実際に発売直後からSNS上で話題となり、2商品の合計累計出荷総数は2022年2月〜2024年3月の約2年間で300万個を突破、美容液ファンデ市場の新たなカテゴリーとしての存在感を放っている。

アンバサダーに就任した河合氏も「SNSで目にしたことがあり気になっていた商品だったので、オファーの話を聞いてすごく嬉しかった」と話し、実際にファンデーションを試してみた体験として「みずみずしく軽いテクスチャーで(肌に)蓋をしている感じがしない。メイクを1日中して帰ってきた後、鏡を見た時の肌の感じも違っていて驚きました」と高く評価しており、多くの人に商品を使ってみてほしいとアピールしていた。

  • アンバサダーを務める俳優の河合優実氏

    アンバサダーを務める俳優の河合優実氏