Windows Latestはこのほど「Microsoft will let you manage Linux distros on Windows 11 through GUI」において、MicrosoftがWindows Subsystem for Linux (WSL) でのLinuxディストリビューションの管理を容易にするため、GUIベースの管理ツールの開発を計画しているようだと伝えた。
現在、WSLを有効にしたり、Linuxディストリビューションをインストールしたりするには、ターミナルを使用したコマンドラインでの操作が必要となる。GUIによる管理が可能になれば、初心者にとってのWSLの導入障壁は大幅に緩和されるだろう。
WSL管理用のGUI「WSL Page」とは
WSL管理用のGUIは、開発者向けのダッシュボードアプリ「Dev Home」の新機能として提案されている。MicrosoftはDev HomeのGitHubリポジトリにおいて、「WSL Page」の名前でWSL管理用GUIを提案しており、そこで新たにデザインのたたき台となるUIモックアップの画像を公開した。
このモックアップでは、Dev Homeに「Windows Subsystem for Linux」のタブが追加され、そこにUbuntuやDebianといったLinuxディストリビューションが並んでいる。各ディストリビューションは、それぞれボタンによって起動や停止ができるようだ。また、WSL本体のシャットダウンボタンや、新規ディストリビューションの追加ボタンのようなものも用意されている。
WSL Pageでできること
WSL Pageの開発はP0、P0.5、P1の3段階に分けて行う方針となっている。初期バージョンであるP0で実装する機能としては、以下が提案されている。
- WSLのインストール
- 新しいWSLディストリビューションのインストール
- WSLのシャットダウン
- インストールされているすべてのWSLディストリビューションの状態の表示
- ディストリビューションの起動と終了
- ディストリビューションのアンインストール
- デフォルトのディストリビューションの設定
P0.5では、次のような機能が提案されている。
- WSLディストリビューションのインストール場所の変更
- VHDまたはtarからWSLディストリビューションのインポート
- WSLディストリビューションのVHDまたはtarへのエクスポート
P1では、次のような機能が提案されている。
- WSLのRAMとCPUの使用量の表示(合計およびディストリビューション別)
- Linuxでフォーマットされたディスクのマウント
- WSLの新機能の確認
WSL Pageは提案の初期段階であり、実際に手元で使用できるようになるのはまだ相当先のことだろう。しかし、もし実現すればWSLの利用がさらに広まる可能性が高い。WSLはIT管理者やソフトウェア開発者の生産性を大幅に向上させる存在であるため、その使い勝手が向上する点には大いに期待したい。