気象庁によると、日本時間3日午前8時58分、台湾の東部沖を震源とするマグニチュード(M)7.7、最大震度6強の大きな地震があった。台湾からの報道によると、台湾東部花蓮で建物が倒壊して同日午後5時時点で7人が死亡、東部各地で700人以上が負傷しているという。また沖縄県与那国島で震度4を記録し、同庁は同9時過ぎに沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に津波警報を発令。その後注意報に切り替え、正午に解除した。
同庁は同日午前10時過ぎから記者会見した。震源は沖縄県石垣島の西南西250キロの台湾東部沖で、震源の深さは暫定値で23キロと比較的浅い。能登半島地震と同じく断層が圧縮されて上下にずれる逆断層型地震とみられ、長周期地震動も階級1を宮古島、与那国島、西表島で観測。与那国島と宮古島で30センチ、石垣島で20センチの津波を観測した。担当者は「今後1週間ほどは今回と同程度の地震に注意してほしい」などと述べた。
気象庁の説明では、台湾の東部では過去度々M6~7級の大きな地震が発生している。地震の規模は2009年12月19日にM6.7、18年2月7日にM6.7、22年9月18日にM7.3。台湾周辺はフィリピン海プレートと台湾がのるユーラシアプレートと衝突する場所。このため海溝型の地震やプレート内の直下型の地震が度々起きているという。
一方、日本の与那国島や南西諸島の周辺海底も海溝が広がっている。1911年にM8の大地震が鹿児島県の喜界島で発生した記録があり、1919年以降、南西諸島周辺ではM7~M7.5の地震が4回、与那国島周辺では同程度の地震が12回発生している。
共同通信台北支局の報道によると、花蓮市内では複数の建物の1階部分がつぶれた。土砂崩れも発生し、路上に大小の石が転がった。台湾メディアは衝撃の大きさを「台湾全土に強震」と伝えたという。一方、日本関係の被害状況について林芳正官房長官は3日午前の記者会見で「首相官邸は危機管理センターに官邸連絡室を設置し、情報収集しているが(沖縄での)被害の報告はない。台湾での邦人被害の情報もない」などと述べた。