石川県能美市とNEXT DELIVERYは4月3日、地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン配送実証実験を3月28日に実施したことを発表した。
実証実験の背景
今回対象となった能美市宮竹小学校区は、人口2349人、外国人が497人と21%が外国人であり、北陸先端科学技術大学院大学の学生と教員が住む旭台を除くと、高齢化率は34.6%と市内エリアとしては高い高齢化率となっている地域。
買い物については、エリアの日用品小売店が少なく、「自らが求める物」の買い物は隣接する白山市鶴来地区や能美市辰口小学校区までいかなければならないため、車での移動が確保できない場合は、唯一の公共交通機関であるバスや民間タクシーを利用しなければならない現状となっている。
このような背景を受け、ドローンを活用した買い物弱者対策による日常生活の利便性の確保、地域住民の理解度向上を目的として実証実験を実施したという。
実施内容
両者は、3月28日にエアロネクストが物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンであるAirTruckを使用し、ドローン配送の実証実験を行った。
実証実験は買い物不便地域に対するフードデリバリーを想定し、まず能美市辰口町の「カレーのチャンピオン辰口店」から車でこくぞう里山公園まで配送し、こくぞう里山公園から北陸先端科学技術大学院大学グラウンドへ(片道距離5.5km、約12分)届けるというものだ。
ドローンで配送されたチャンピオンカレーを受け取った学生は、「新しい配送サービスで期待したい。大学は山間部にあるので、とても助かる。これまで40分歩いてチャンピオンカレーを買いに行ったことがあるので、ドローンで届いて驚いた」とコメントしている。
両者は、今後も地域住民への理解促進および地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流の社会実装に向けた検討を進めていきたい考え。