スイスの建築会社・ウォルトガルマリーニ社と提携
世の中が喜ぶことを提供する。
わたしは創業以来、常にこのことを心掛けてきました。
売上をいくら上げたかとか、家を何棟建てたとか、経営を考える上ではそれも重要ですが、もっと大切なことは、何人のお客様に満足を与えることができ、喜んでいただくことができたか。あるいは、感動してもらえるような仕事ができたか。仕事をする上では、こちらの方が重要だと考えています。
やはり、会社を運営するには経営者の志が必要で、公(おおやけ)の心、いわゆる利他の心があるかどうかが大事です。きれいごとに見えるかもしれませんが、公共性を考えることが結果的に自分たちへ戻ってくる。それがわたしの経営哲学であり、シェルターの存在意義だと考えています。
接合金物工法『KES(ケス)構法』や木質耐火部材『COOL WOOD(クールウッド)』など、当社は独自の技術開発を積み重ねることによって、新たな市場を開拓してきました。
そんな当社にとって、非常に嬉しいニュースが入ってきました。スイスの建築会社でウォルトガルマリーニ社という、ヨーロッパにおける木構造技術のリーディングカンパニーと、2023年9月にパートナーシップ協定を結び、同年12月に技術供与の契約を締結することができたのです。
近代木造建築の元をつくったのはヨーロッパです。ヨーロッパの手法や考え方が、北米、南米、オセアニア、アジア、そしてアフリカへと、世界中に広まっていきました。
そのヨーロッパのリーディングカンパニーであるウォルトガルマリーニ社が、近代木造建築の後進国とされてきた日本の技術、それも当社の『KES構法』や『COOL WOOD』といった技術を認めてくれたのですから、わたしは非常に誇りに思っているのです。
燃え止まり、自己消火し、倒壊しない。こうした発想をヨーロッパのリーディングカンパニーが認めてくれたことは非常に大きな意味があります。欧米の会社の知り合いから何人も「ミスター木村、コングラッチュレーション(Congratulation)」と言っていただきました。すでに北米やアジアでも引き合いが来ており、今後が非常に楽しみです。
これから当社はスイスを中心とした欧州各国での木造ビルの普及・拡大を図ります。そして、日本の技術を世界に発信していこうと考えています。
もっとも、われわれがウォルトガルマリーニ社から学ぶべき技術や知識は多々あります。そこは先進国であるヨーロッパで培ってきたウォルトガルマリーニ社の知見を吸収するべく、当社としても彼らから謙虚に学んでいきたいと思っています。