ロームは2024年4月1日付で、同社100%子会社のラピステクノロジーの吸収合併を実施したことを明らかにした。
この吸収合併そのものは2023年9月に発表されていたもので、4月1日が効力発生日となっていた。
今回の合併の目的は、ラピステクノロジーが得意としてきたLSI(デジタル)技術と、ロームが得意としてきたパワー・アナログの融合密度を高めることで、既存製品の深耕のみならず、パワー半導体やアナログ半導体にデジタル制御を加えた高付加価値製品の開発力強化を図ろうというものだとロームでは説明している。
ラピステクノロジーは、もともとOKIの半導体事業部として1961年のトランジスタ生産開始まで遡る歴史を有していた。1967年のIC生産開始以降、1975年には4KビットDRAMの生産を、1977年にはマイクロプロセッサの生産を開始するなど、DRAMを中心にさまざまなロジックデバイスを手掛けてきた。また2000年には、システムLSI設計のベースとしてArmコアを採用したCPUプラットフォーム「μPLAT」を開発したほか、2002年には完全空乏型SOI(FD-SOI)を用いたLSIを生産するなど、新たなロジック技術開発を推進してきた実績を持つ。2008年にOKIセミコンダクタとなった後、2011年10月1日付でラピスセミコンダクタへと社名を変更。その後、2020年10月にラピスセミコンダクタのLSI事業部門をラピステクノロジーとして新設分割、ラピスセミコンダクタを生産子会社と分けた形で事業を行ってきた。
なお、今回の合併に伴いラピステクノロジーは解散となるが、ロームでは「これまでご愛顧いただいてきたラピステクノロジーの既存製品はもとより、お客様との取引関係はこれまでと変わらずロームに継続されますので、ご安心くださいますようお願い申し上げます」とコメントしている。