TOPPANデジタルと茅野商工会議所は4月1日、「地域Pay」における顔認証決済サービスの実証実験を実施することを発表した。実証期間は4月1日〜4月30日。
実証実験の背景
地域振興や地元住民のためのインフラとして地域通貨事業の導入が増加している一方で、現在の地域通貨事業における決済手段ではスマホを使用したコード決済が主流であり、スマホを持たない住民やアプリの操作に不慣れな人々に配慮が求められている。
スマホ以外の決済手段として紙券やカードの利用があるが、紛失や不正使用などのリスクが高く、より多くの住民が利用できる決済手段の拡充や利便性の向上が課題となっている。
茅野商工会議所は、地域通貨事業の可能性を探るため、住民や加盟店向けに負担の少ない自走可能なシステム導入を検討している。特に、より多くの地域住民の利用を目指すため、踏まえた地域通貨の導入を検討している。
これらの背景から、TOPPANデジタルが提供している自治体キャッシュレスプラットフォーム「地域Pay」において、アプリやカードと共にユーザーが利用できる新たな決済手法として顔認証決済サービスを追加し、茅野商工会議所と共同で顔認証決済サービスを含む新たな決済手法を提供する実証実験を開始する。
実証実験の概要
この実証では、長野県にある茅野商工会議所が検討する地域通貨事業の一環として、TOPPANデジタルが提供している自治体キャッシュレスプラットフォーム「地域Pay」において、アプリやカードと共にユーザーが利用できる新たな決済手法として顔認証決済サービスを追加し、顔認証決済サービスを追加し、茅野商工会議所と共同で顔認証決済サービスを含む新たな決済手法を提供する実証実験を開始する。
具体的な実証内容は、5000円の残高が入ったカードIDをTOPPANデジタルで発行し、事前に選定された参加者に対して顔登録説明会を複数回開催し、登録方法の説明や登録代行を実施。自身のスマホで操作可能な参加者はWEBアプリにて、非スマホ保持者は会場内のスタッフが参加者の顔撮影とカードIDの登録をWEBアプリ上で代行して行う。
実施店舗にてタブレットに事前にインストールした顔認証決済アプリを利用し、参加者の顔認証決済を行う。
実証実験の参加者は、事前に選定された茅野商工会議所の関係者など約100人。具体的な実証項目は、現金やコード決済と比較した際の決済時間の短縮効果、決済成功率の計測・失敗時の要因の集計(眼鏡・マスクなど)、他決済手段と併用した際の店頭オペレーションの検証、顔認証システムのユーザビリティ検証。
実証実験の実施場所は長野県茅野市内にある、アニバーサリーチロル、やよい生花店、フジモリ薬局、ピザ&パスタ SPADA、いちきゅう蓼科 モン蓼科店の5店舗としている。
TOPPANデジタルと茅野商工会議所は今後、この実証を踏まえた効果検証を経て、顔認証決済サービスも実装した「地域Pay」による独自の地域通貨の提供を目指す考えだ。