USEN―NEXTが社名変更 祖業の「USEN」消える

USEN―NEXT HOLDINGS(宇野康秀社長)が社名を変更する。4月からの新社名は「U―NEXT HOLDINGS」。「将来を見据えた新たな成長フェーズへ移行する」(同社)のが理由で、祖業だったUSEN(有線)の名前が消えることになる。

 17年にUSENとU―NEXTが経営統合して誕生した同社。もともとは宇野氏の父、故・宇野元忠氏が1961年に個人で有線音楽放送を開始したのが始まり。その後、宇野氏が98年に当時の大阪有線放送社(現USEN―NEXT HOLDINGS)を引き継ぎ、経営に参画した。

 近年、同社が注力するのはU―NEXTの動画配信サービス事業だ。

 2023年にはU―NEXTと「Paravi(パラビ)」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)と経営統合し、会員数約420万人の国内勢最大の動画配信プラットフォームとなった。

 現在、動画配信では米ネットフリックスがトップ。この他、アマゾンやディズニーなどの〝黒船〟が日本を席巻。国内勢ではU―NEXTの他、「Hulu(フールー)」や「Lemino(レミノ)=旧dTV」といったサービスが乱立しており、動画配信事業者間の顧客獲得競争は激しくなるばかり。

 そうした中、新たな社名のもと、宇野氏はどんなサービスを打ち出していくのか。これまでインテリジェンス、USEN、U―NEXTと、3つの会社を上場させてきた宇野氏。同氏の手腕が今後も問われそうだ。

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