横浜発のチョコレート(チョコ)ブランド「VANILLABEANS(バニラビーンズ)」を展開するチョコレートデザインは現在、EC運営とマーケティングを強化している。ECサイトをリニューアルしたり、新たな集客施策を実施して、新規顧客の獲得と既存顧客の満足度向上を図っている。
マーケティングを強化する要因について、「日本のチョコの消費量は諸外国と比較すると、まだまだ少ない。日本はスイーツが多様化している。その中で当社が大事にしているフェアトレードやビーントゥバーのチョコをどれだけ多くの人に振り向いてもらえるかにチャレンジしていきたいと思っていた」(広報)と話す。
2023年10月には、自社ECサイト「VANILLABEANS」を刷新した。新たに会員ランクを導入したり、実店舗で販売している板チョコ「タブレットショコラ」の取り扱いを開始した。
自社ECサイトに導入した会員ランク「VANILLABEANS CLUB(バニラビーンズ クラブ)」では、買い物で使える「カカオマイル」がたまる。1カカオマイルは1円に換算して利用できる仕組みだ。
会員ランクは「カカオビギナー」と「カカオエキスパート」の2種類に分かれる。「カカオエキスパート」会員は、誕生日特典の獲得やマイルの付与率の増加といった特典がある。今後は会員ごとに配信する情報を出し分けたり、会員限定のイベント企画などを実施する計画がある。会員ランクを通じて、顧客のLTV(顧客が生む長期的な利益)の向上を高めていく考えだ。
▲会員ランクを導入
2024年のバレンタインシーズンにおいては、初めてYouTubeの動画広告も活用した。バタークッキーの生チョコサンド「ショーコラ」の動画CMを配信し、購入促進を図った。
「SNS広告も出稿数を増やした。2024年のバレンタインシーズンのEC売上高は、前年と比較して9%増となった。店舗も好調で多くの人に来店していただいた」(同)と振り返る。
今後も引き続き、顧客との関係性を強化していく方針だ。SNSやメルマガで新商品のニュースや生産地の状況を発信したり、工房を見学できるミニファクトリーツアーなどを実施していく。
「当社は昨年、ブランドメッセージを『チョコレートでつながろう』に変更した。つながるには、当社の顧客だけでなく、カカオを生産する生産者も含まれている。どちらも今まで以上に近い距離でつながっていきたいと思っている」(同)と話す。