BIPROGYは3月29日、既存の建物の設備管理をデジタルツイン上で行うための、空間データ作成・AI利活用の実証実験をリコーと実施したと発表した。

実証実験の概要

両社は、リコーの「空間データ作成・利活用 AI ソリューション」 を活用し、建物を360度カメラ・3 次元レーザースキャナーで撮影、デジタルツイン上で閲覧可能なデジタル建物(3Dデータ)を作成した。

  • 「空間データ作成・利活用 AI ソリューション」ビューア上での設備詳細表示と表示位置遷移

また AI 画像認識技術を活用しデジタル建物上に存在する設備を検出することで、各設備の台帳情報と建物管理用の 3D/BIM データを相互にひもづけて、3D ビューアのデータを「Archibus」に取り込むためのBIMデータとして整備し、3Dビューアと「Archibus」を相互接続させるプロトタイプを作成した。

  • Archibus BIM ビューア上での台帳連動型設備詳細表示

これらにより、両製品を相互接続させた際の、建物維持管理業務に有益な台帳連動型デジタルツイン構築の効率化を実証した。

実証実験の背景

昨今、サイバー空間内に現実空間の環境を再現するデジタルツイン技術を活用した効率的な建物設備管理への期待が高まっているが、既存の建物の多くはデジタルツインの作成に不可欠な建物の3D データを持たないため、デジタルツインを活用した効率的な建物設備管理が進んでいないという。

両社はこうした課題を解決するため、実証実験を行った。

今後の展望

両社は今後、デジタルツインの作成効率化を通じて、建物管理業務におけるIT用の導入障壁を低減させる取り組みを推進する。

また、BIPROGYは建物管理向け統合プラットフォームである「Archibus」のメリットを最大限引き出せる、デジタルツイン上でタイムリーかつ円滑な情報共有ができるサービスの開発を目指す。