大丸松坂屋百貨店は2023年5月、百貨店のバイヤーが厳選する冷凍グルメの定期配送サービス「ラクリッチ」をスタートした。「ラクリッチ」は、デパ地下クオリティーの”贅沢(ぜいたく)なグルメ”を、自宅で楽しめるサービスだという。5年後に売上50億円を目指すとしている。
経営戦略本部 DX推進部部長 ラクリッチ事業責任者を務める岡崎路易氏は、「ラクリッチは、大丸松坂屋百貨店が長年培ってきた『目利きバイヤーのネットワーク力』を生かすことにより実現した」と話す。
ラクリッチの定期便コースは、①「ちょいリッチBOX(税込・送料込みで6500円)」②「しっかリッチBOX(同9000円)」③「すごリッチBOX(同1万2000円)」――の3種類を用意。予算に合わせて選ぶことができる。
メニュー内容の全容は、箱を開くまで分からない。「届いたときのお楽しみ」を演出する仕様になっているそうだ。
決済日前にメールによる案内を行って、一部の商品のみを公開するという。
「『届いてからの楽しみにしたいから、メールのメニューの案内はあえて見ない』というお客さまもいる。体験として楽しんでいただけていると感じている」(岡崎氏)と言う。
「離れて暮らす親に、『楽に食事を楽しんでほしい』とラクリッチを注文いただくケースも少なくない」(同)としている。ギフトとしてのニーズもあるようだ。
▲ラクリッチ
経営戦略本部 DX推進部スタッフ デジタル事業開発担当 商品調達責任者の朝倉宏二氏は、「ラクリッチで提供してきたメニューは、累計100品以上にのぼる。試食の前に厳選しているが、その中からさらに、多数の試食を繰り返し厳選したメニューを展開している」と言う。
現在取り扱っているのは約40ブランド。シーズンごとに、ブランドやメニューの改廃を行っているそうだ。
定期購入以外では、数量限定でセット商品の販売も実施しているという。
「毎月『おいしい出会い』を感じてもらえるようなメニューの開発に、引き続き力を入れていく。楽しく、楽ができて、少しリッチな食卓の一助になれるようなサービスに成長させていきたい」(朝倉氏)としている。