Samsung Electronicsが、半導体製造ラインの歩留まり向上に向けて、NVIDIAのクラウドサービスプラットフォーム「Omniverse」を活用してデジタルツイン環境を構築し、それを活用することで2030年までに半導体工場の完全自動化を実現することを目指していると、NVIDIAの年次イベント「GTC 2024」の開催前後、韓国を中心とする複数のアジアメディアが報じている。
例えば韓国の経済メディアeTodayでは、GTC 2024にてSamsungのDS(半導体)部門イノベーションセンターのユン・ソクジュ常務が「Omniverse-Based Fab Digital Twin Platform for Semiconductor Industry」というタイトルで講演し、SamsungはNVIDIA Omniverseプラットフォーム上でデジタルツイン技術を適用したバーチャルファブの構築を2025年に開始すると語ったと伝えている。この講演では、デジタルツイン技術がSamsungの半導体製造における歩留まり向上のボトルネック解消に役立つことが語られたという。
NVIDIAもこうしたニーズに対応することを目的に、GTC 2024にて、PaaSとして「Omniverse Cloud API」を発表している。
Omniverse CloudがAPIとして利用できることになり、これによりソフトウェアサプライヤのエコシステム全体にわたって、Omniverseのコアテクノロジを、デジタルツイン用の既存の設計および自動化ソフトウェアアプリケーション、またはロボットなどの自律型マシンのテストと検証のためのシミュレーションワークフローに直接統合できるようになるとNVIDIAでは説明している。
なお、NVIDIAの創業者/CEOであるJensen Huang氏は「今後、すべての製造分野にデジタルツインが適用されるようになる。Omniverseは、物理的に正確なデジタルツインを構築および運用するためのオペレーティングシステムであり、Omniverseと生成AIは、50兆ドル規模の重工業市場をデジタル化するための基盤技術となる」とOmniverse Cloud APIのリリースの際にコメントしている。