NVIDIAのAI半導体向けに広帯域メモリ(HBM)を提供しているSK hynixが、米国インディアナ州ウェストラファイエットに先進パッケージング工場を建設することを計画していると米国の経済メディアWall Street Journal(WSJ)が報じている。
それによると40億ドル(約6000億円)を投じてHBMのパッケージングと最終テストを行う後工程工場を建設し、2028年の稼働開始を計画しており、800~1000人の雇用創出が期待されるという。SK hynixは、連邦政府と州政府からの助成金や税金優遇などの支援を受ける予定であるという。同地には米国を代表する名門校の1つであるパデュー大学があるが、同大の最大学部は工学部となっており、新工場の主要人材の供給を同大学に依存するものとみられる。
SKグループのチェ・テウォン会長は2022年、米バイデン大統領を表敬訪問した際、半導体分野に150億ドルを米国に投資すると表明しており、先進的な半導体パッケージ工場を建設する方針もすでに明らかにしていた。しかし、今回の報道に関して、SK hynix CEOのクァク・ノジョン氏は、SK hynixが発表したニュースではないとし、「米国に半導体後工程工場の建設を検討しているのは事実だが、いまのところ何も決定していない」と述べたと韓国メディア各紙が伝えている。
なお、NVIDIAのAI半導体は、現在の半導体産業の成長をけん引する製品の1つであるが、その製造に関するほとんどが台湾や韓国などのアジア地域で行われてきていることから、WSJでは、今回の投資が実行されれば米国の半導体製造にとって重要な突破口になる可能性があると指摘している。