FIXERと順天堂大学は3月27日、生成AIを活用した、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の共同研究を2月1日から開始したことを発表した。FIXERが提供する生成AIサービス「GaiXer」を活用し、電子カルテの情報をもとに診療報酬算定の労力を減らす仕組みを作る。

なお、共同研究の正式名称は「生成AIを活用したレセプト作成機能の構築と診療行為等データの二次利用基盤の構築に向けた調査研究」で、厚生労働省を通じて国庫補助を受けているものとなる。

共同研究の概要

両者は、共同研究の第一段階として、電子カルテ情報に紐づいたオーダーから生成AIで請求内容を選択可能かを検証する。第二段階では電子カルテの記載内容から直接、生成AIが請求内容を選択できるか否かを検証する予定。

GaiXerを利用することで、従来は病院全体で数日かかっていた診療報酬の算定を数分程度(生成AIによる原案作成に数十秒、ヒトのチェックを合わせて数分程度)に減らせる見込みとのこと。共同研究には、医師や医療事務の関係者も協力し、診療報酬の生成精度の向上を目指す。

将来は、診療報酬の改定に伴う医療関連システムの改修コスト削減にもつながり、国が進める医療費の削減にも寄与する見通し。両者は、2024年3月末までに報告書を作成し、厚生労働省に提出するとしている。