NECと日本オラクルは3月27日、IOWN(Innovative Optical & Wireless Network)を活用したNECの「大容量・低遅延」を特徴とするAPN(All-Photonics Network)と、分散クラウド環境下でのデータ管理を高速・低遅延で実現するオラクルのOCI(Oracle Cloud Infrastructure)を組み合せ、場所を越えた新たな協働・体験の具現化に向けて共創活動を開始したことを発表した。
また共創活動の起点として、NEC我孫子事業場(千葉県我孫子市)内にあるNEC CONNECT Labにインタラクティブなリモートライブ参加を想定した自由視点鑑賞デモ環境を、IOWNのAPNとOCIを活用して構築している。
共創活動の背景
生活習慣や価値観が多様化する中で、リモート会議やオンラインイベントなど、場所に依存しない活動への参加が普及している一方、現在のネットワークでは通信性能や物理的な制限により、リモートでの体験は実際に現地で参加する体験と異なり、それらの間には体験の格差が生まれているという。
そこで両社はIOWNを活用し、さまざまな人・場所・データをリアルタイムにつなぐことにより、誰もが場所に依存せずに安全かつ能動的に参加することで多様性ある体験ができ、かつ参加者全員が同等の臨場感や一体感を実感できるインクルーシブな社会を実現するため、共創活動を開始した。
両社の役割
両社の役割として、NECは、ネットワークを活用したオープンな共創の場であるNEC CONNECT Labにおいて、IOWNの技術とユースケースの開発をグローバルに推進する団体であるIOWN Global ForumのOpen APNアーキテクチャに対応した光伝送装置「Spectral Wave WXシリーズ」を使用し、IOWNのAPNの大容量・低遅延なネットワーク環境を構築・提供する。
日本オラクルは、分散クラウド環境下でのデータ管理を高速・低遅延、高い電力効率で実現可能なOCIをNECが構築したIOWNのAPNのネットワークと連携させ、回線遅延や通信品質をモニタリングし、サービス品質維持のためのデータ管理を行う。
このOCI上で提供される運用監視サービス「Oracle Cloud Observability and Management Platform」を用いてクラウドでのモニタリングとデータ管理を行うことで、実際に事象が発生する現場にデータ処理機能を実装する必要がなくなるという。
両社は、今後も引き続き社会価値起点での共創活動を継続し、さまざまなパートナーとともに新たなユースケースを検討し、技術の社会実装に向けた実証につなげていきたい構え。