携帯翻訳端末を手がけるポケトークは3月27日、富士ソフトと資本業務提携契約を締結し、同社を引受先とした第三者割当増資で10億円調達したと発表した。これにより累計調達額は48億3000万円となった。
ポケトークは、AI(人工知能)を活用した翻訳機「ポケトーク」のハードウェアビジネスに加えて、ソフトウェアサービスにも力を入れている。スマホやタブレットなどの専用端末を必要としないインストール型ソフトウェアの同時通訳サービス「ポケトーク ライブ通訳」などを提供している。双方向のリアルタイム翻訳も可能で、全74言語に対応する。
富士ソフトと資本提携することで、ソフトウェアビジネスの開発や販売体制を強化する狙いがある。国内外で急速に高まりつつある多言語対応への需要獲得、および販売網の拡大を急ぐ。現製品のアップデートに加えて、新製品の開発を加速させるとのことだ。
ポケトークは3月6日に上場準備を始めたと発表。2025年中に上場申請して新規株式公開(IPO)を目指し、海外や法人事業の強化につなげる。上場時の時価総額は1000億円規模とみられている。
ポケトークは、相手の言葉を話せなくても互いに自国語のまま対話でき、深くわかり合える世界の実現を目指している。